6日晩、スイス東部・ヴィンタトゥールに落ちた稲妻。スイス全土で4万回以上の稲妻が観測された
SRF/Ruedi Meyer
スイスは5日夜から6日にかけて激しい雷雨に見舞われた。ベツナウ原子力発電所の緊急停止や多数のフライト運航見合わせなどの影響が出た。
このコンテンツが公開されたのは、
2019/08/07 10:10
メテオニュース外部リンク によると、6日午前0時から午後10時10分までにスイス中部~東部を中心に計4万397回の稲妻が観測された。特に西部は前線の活動が活発となり局地的に非常に激しい雨 が降った。
雷雨による大きな被害は報告されていない。スイス・インターナショナル航空によると、チューリヒ空港を出発したアムステルダム行きとリスボン行きのA321機が離陸直後に雷に打たれ、チューリヒ空港に引き返した。ともに乗客らに被害はなかったという。
アールガウ州のベツナウ原子力発電所にも落雷した。スイス連邦安全監督局(ENSI)によると外部リンク 、第1原子炉で午前1時33分に220キロボルトの母線が外れ、自動的に緊急停止。第2原子炉でも自家需要向けの発電量を減らす負荷軽減措置が発動した。まもなく原発は発電を再開し、人体や周辺環境への影響はないという。ENSIの広報アントニオ・ソマヴィラ氏はドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)に、落雷で原発が停止するのは極めて異例だと話した。
気象専門家によると、激しい雷雨の影響で多くの稲光が観測されたが、多くは電流が雲の中で放電され、地上には届かなかった。6日のような激しい雷雨は暑い季節には珍しくないという。
おすすめの記事
職場
スウォッチ、「つり目」広告を撤回 人種差別と炎上
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/18
スイスの時計大手スウォッチはつり目ポーズのモデルを使った広告を謝罪し、撤回した。中国を中心に人種差別的だとの批判が出ていた。
もっと読む スウォッチ、「つり目」広告を撤回 人種差別と炎上
おすすめの記事
世界貿易
トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/18
スイスに対し39%の関税を発表する前日の7月31日、ドナルド・トランプ大統領がカリン・ケラー・ズッター大統領との電話会談で、米国への「投資」ではなく直接的な金銭支払いを要求していたことが分かった。大衆紙ブリック日曜版が報じた。
もっと読む トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
おすすめの記事
文化
ロカルノ映画祭、三宅唱監督「旅と日々」に金豹賞
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/18
スイス南部で開催されたロカルノ国際映画祭で、三宅唱監督の「旅と日々」が最高賞にあたる金豹賞を受賞した。
もっと読む ロカルノ映画祭、三宅唱監督「旅と日々」に金豹賞
おすすめの記事
宇宙研究
国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/15
日本製とドイツ製のロボットが、国際宇宙ステーション(ISS)で「宝探し」をして遊んだ。スイス・ルツェルン応用科学芸術大学(HSLU)もこの実験に貢献した。
もっと読む 国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
おすすめの記事
スイス中銀、新紙幣デザイン12案発表 一般投票募る
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/14
スイス国立銀行(中銀、SNB)が、新フラン札のデザイン案12点を発表した。来月7日まで、インターネット上で一般投票が行われる。
もっと読む スイス中銀、新紙幣デザイン12案発表 一般投票募る
おすすめの記事
気候適応
ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/14
ジュネーブ州では13日、バスやトラム(路面電車)など公共交通機関が終日無料となった。オゾン濃度が急増したことへの対応で、スイスでは初めての措置だ。
もっと読む ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
おすすめの記事
スイスで記録的暑さ 政府が警告
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/13
スイスで全国的に気温が上昇し、猛暑への警戒が強まっている。11日にはスイス西部と南部ティチーノ州の一部地域に対し、熱中症など健康被害を受けるリスクが大きい「危険度3」の警報が発令された。
もっと読む スイスで記録的暑さ 政府が警告
おすすめの記事
文化
知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/11
ハンス・リンギエ財団は9日チューリヒ在住の作家アドルフ・ムシュグさん(91)に欧州政治文化賞と賞金5万ユーロ(約860万円)を授与した。同賞がスイス人に授与されるのは初めて。
もっと読む 知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞
おすすめの記事
貿易政策
スイス政府、相互関税で米国との協議継続を表明
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/05
米国がスイスに課す39%の「相互関税」をめぐり、スイス政府は4日、米国との協議を続け「より魅力的な提案をする」と表明した。
もっと読む スイス政府、相互関税で米国との協議継続を表明
おすすめの記事
貿易政策
トランプ政権、スイスに39%の相互関税を発表
このコンテンツが公開されたのは、
2025/08/01
米国はスイスに課す相互関税率を39%と発表。スイス政府は「大変遺憾に思う」と表明した。
もっと読む トランプ政権、スイスに39%の相互関税を発表
続きを読む
次
前
おすすめの記事
世界最古のベツナウ原発が3年ぶり稼動
このコンテンツが公開されたのは、
2018/03/21
電力会社アクスポは20日、アールガウ州デッティンゲンにあるベツナウ第1原子力発電所が再稼動したと発表した。数日内にフル稼働する。当面、原子炉以外の部分から蒸気が発生するが、住民や周辺環境への危険はないという。
もっと読む 世界最古のベツナウ原発が3年ぶり稼動
おすすめの記事
スイスの列車事故 当時の豪雨の情報や警報システムは?気象庁に聞く
このコンテンツが公開されたのは、
2014/08/26
スイス・グラウビュンデン州で13日午後に起きた列車の脱線事故。この事故では観光で有名な氷河特急と同じ路線に土砂が崩れ落ち3両が脱線。1両は斜面を滑り落ち木に引っかかって停止。日本人男性1人を含む5人の重傷者も出た。その事故から2週間。当時の豪雨の情報や警報システムはどうだったのか?今後のリスク回避のためにスイス気象庁に聞いた。
もっと読む スイスの列車事故 当時の豪雨の情報や警報システムは?気象庁に聞く
おすすめの記事
ミューレベルク原発が緊急停止 安全は確認
このコンテンツが公開されたのは、
2018/03/07
ベルン州ミューレベルク原子力発電で7日午前、監視システムが発電タービンにつながる 蒸気管に異常を発見したため、原子炉が緊急停止した。運営する電力会社BKWによると、人や自然環境に対する危険はない。
もっと読む ミューレベルク原発が緊急停止 安全は確認
おすすめの記事
スイスの原子力発電所でデータ改ざん
このコンテンツが公開されたのは、
2019/02/01
スイスのチューリヒ近郊にあるライプシュタット原子力発電所で、実際は行われなかった安全試験に関する架空の報告書が作成されたことが判明した。スイス連邦原子力安全検査局はこれに対し、発電所を安全に運行する上で直接的な影響は出なかったと主張している。
もっと読む スイスの原子力発電所でデータ改ざん
おすすめの記事
スイスで起こったメルトダウン 歴史的な原発事故
このコンテンツが公開されたのは、
2019/01/21
50年前の今日、スイス西部リュサンにあった国内初の研究用地下原子炉で一部メルトダウン(炉心溶融)が起きた。スイス史上最悪の原発事故を写真で振り返る。
もっと読む スイスで起こったメルトダウン 歴史的な原発事故
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。