The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

スイスのセックスワーカー、5人に1人が性病感染 無自覚のまま

チューリヒの歓楽街
チューリヒの歓楽街 Keystone

スイスの性風俗産業従事者の5人に1人が性感染症(STD)に感染し、そのほとんどが無自覚であることがわかった。

 ザンクト・ガレン州立病院の感染症科がセックスワーカー600人を対象に行った。調査結果は未発表だが、ドイツ語圏の日曜紙ゾンタークス・ツァイトゥングが13日に報じた外部リンクところによれば、セックスワーカーの5人に1人が無自覚、無症状の状態で性感染症に感染していることがわかった。

 性感染症は主に淋病(りんびょう)、クラミジア感染、梅毒で、HIVや(B型・C型)肝炎患者はいない。

 調査を行った感染症科のピエトロ・ヴェルナッツァ主任は「セックスワーカーが適切な治療を受けなければ、公衆衛生上のリスクが発生」し、「客が性感染症を持ち帰る可能性がある」と警告を鳴らす。淋病や梅毒などはオーラルセックスだけで他人にうつすことができる。

 適切な治療を受けない場合、患者は数週間にわたり感染力を持ち続ける。ヴェルナッツァ氏は、セックスワーカーが性病検査を受けやすい環境を整え、健康保険などで検査に掛かる費用を負担するなどの措置を提案している。

 スイスでは1942年から売春は合法だが、路上売春は大都市の特別エリア以外は違法となっている。スイス政府は売春を禁止しない見返りに、セックスワーカーの保護強化と人身売買防止策を立てた。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

詐欺を警告するPC画面

おすすめの記事

スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決

このコンテンツが公開されたのは、 スイス銀行を狙った口座乗っ取り事件で、英国で刑事告訴されていた英国人学生(21)に禁固7年の有罪判決が言い渡された。スイス連邦検察庁によると、学生はスイスの銀行顧客から約240万フラン(約4億4000万円)を騙し取った。

もっと読む スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
オリーブの木

おすすめの記事

温暖化でスイスがオリーブの名産地に?

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。

もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
山肌に描かれた巨大な絵

おすすめの記事

アルプスに新しい巨大地上絵が登場

このコンテンツが公開されたのは、 世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。

もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
原発

おすすめの記事

スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
セメンヤ

おすすめの記事

欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」

このコンテンツが公開されたのは、 欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。

もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部