実験では、チーズを休ませる木のプレートに音を伝える特殊なサウンドボックスが作られた
swissinfo.ch
スイスのチーズを作る段階で異なる音楽を聞かせ、味の仕上がりの違いを調べた実験で、最もチーズをおいしく仕上げたのはヒップホップだったことが分かった。
このコンテンツが公開されたのは、
実験で使用した音楽
1 無音
2 環境音楽/Yello「モノリス」
3 クラシック/モーツァルト「魔笛」
4 テクノ/Vril 「UV」
5 ロック/レッド・ツェッペリン 「天国への階段」
6 中周波/200 Hz
7 高周波/1000 Hz
8 ヒップホップ/A Tribe Called Quest「We Got(the Jazz)」
9 低周波/25 Hz
実験に使用したのは世界チーズ選手権の優勝者アントニー・ウィスさんのエメンタールチーズ「Muttenglück」8個。モーツァルトやヒップホップ、テクノなどそれぞれ異なる音楽を24時間聞かせ、別々の場所で8カ月間保管した。実験は、ベルン芸術大学の学生と、アイデアを提案した獣医ベアト・ヴァンフラーさんが共同で行った。プロジェクトの名称は「チーズとサラウンドサウンド~料理の芸術実験」。
8カ月後、どのチーズにどの音楽を聞かせたか伏せた状態で「利きチーズ」テストを実施。その結果、ヒップホップを聞き続けたチーズが最もユニークな味に仕上がった。
結果発表が行われた14日、ヴァンフラーさんは「バクテリアが良い仕事をした」と高評価。ヒップホップを聞かせたチーズを「香りも味も著しくフルーティーで、他のサンプルとは全く異なる」と絶賛した。
科学的な見地から実験を支援したミヒャエル・ハレンベルク教授は「(結果に)圧倒された」とコメント。「ここエメンタールではチーズが重要な文化的役割を果たしているので、(ここまで話題になるのは)スイスではなんら珍しいことではないと思った。だが南アフリカのジャーナリストまでインタビューに来てくれたのには驚いた」と話した。
おすすめの記事
トランプ政権、スイスに39%の相互関税を発表
このコンテンツが公開されたのは、
米国はスイスに課す相互関税率を39%と発表。スイス政府は「大変遺憾に思う」と表明した。
もっと読む トランプ政権、スイスに39%の相互関税を発表
おすすめの記事
スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス銀行を狙った口座乗っ取り事件で、英国で刑事告訴されていた英国人学生(21)に禁固7年の有罪判決が言い渡された。スイス連邦検察庁によると、学生はスイスの銀行顧客から約240万フラン(約4億4000万円)を騙し取った。
もっと読む スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
おすすめの記事
温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。
もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
おすすめの記事
アルプスに新しい巨大地上絵が登場
このコンテンツが公開されたのは、
世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。
もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
おすすめの記事
スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。
もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
おすすめの記事
欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
このコンテンツが公開されたのは、
欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。
もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
おすすめの記事
スイスでは現金のチップが主流
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。
もっと読む スイスでは現金のチップが主流
続きを読む
おすすめの記事
スイスの実験室で生まれた「究極のチーズフォンデュ」
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの科学者たちが英知を結集してチーズフォンデュの材料と食感の関係を解き明かした。モノの姿かたちがどう変わるか、どう流れるかを研究する「レオロジー(流動学)」を応用した。
もっと読む スイスの実験室で生まれた「究極のチーズフォンデュ」
おすすめの記事
よみがえった400年前のレシピ集
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで最も古いドイツ語のレシピ集が400年の時を超えてよみがえった。その昔教会で聖職者が食べていた料理が今、一般市民の台所で再現できるようになった。
もっと読む よみがえった400年前のレシピ集
おすすめの記事
日本酒に合わせたいスイスチーズ 専門店で選んでみよう
このコンテンツが公開されたのは、
エメンタール、グリュイエール、ラクレット。スイスチーズと合わせるならワインを、と思われるかもしれないが、たまには趣向を変えて、日本酒で楽しんではどうだろうか。スイス人をも唸らすチーズの日本人スペシャリストに、専門店でのチーズの選び方を聞いた。
もっと読む 日本酒に合わせたいスイスチーズ 専門店で選んでみよう
おすすめの記事
エメンタールに受け継がれる革新の精神
このコンテンツが公開されたのは、
なだらかな丘陵、牧草を食(は)む牛、ぽつぽつと点在する農家、緑の濃いモミの木。深く切り込んだ峡谷。雷雨がやってくると急に水かさが増す小川。エンメ川に身を寄せる村々。エメンタールという村の名はこの川の名にちなんでつけられ…
もっと読む エメンタールに受け継がれる革新の精神
おすすめの記事
グリュイエール、再びスイスチーズ大賞に
このコンテンツが公開されたのは、
先月29日にルツェルンで開かれた第11回スイスチーズ大賞で、スイス西部のグリュイエールチーズ製造業アルパーニュ・ラ・バッシヌが優勝した。
もっと読む グリュイエール、再びスイスチーズ大賞に
おすすめの記事
142年前のチーズ 「食べても大丈夫」
このコンテンツが公開されたのは、
チーズの持ち主はグリメンツというフランス語圏の村に住むジャン・ジャック・ジュフュレさん。「このチーズはイエダニやネズミ、熱波を免れて来た」と話す。 ジュフュレさんの職業は州の畜産部門の責任者。プライベートでは古くてレ…
もっと読む 142年前のチーズ 「食べても大丈夫」
おすすめの記事
スイスのチーズに相性抜群なアジアのお茶は?
このコンテンツが公開されたのは、
何千年にもわたり人々に愛されてきたチーズとお茶。しかしこの二つが食卓に一緒に並ぶことは珍しい。今回、プロの「仲人」がスイスインフォのために厳選したチーズとお茶のマリアージュをご紹介する。
もっと読む スイスのチーズに相性抜群なアジアのお茶は?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。