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自民党、加熱式たばこ、老後…スイスのメディアが報じた日本のニュース

参院選開票時の森山自民党幹事長
自民党の森山裕幹事長は、参院選で惨敗した責任で辞意を表明した Keystone

スイスの主要報道機関が8月27日~9月2日に伝えた日本関連のニュースから、①自民・森山幹事長が辞意 首相は支持率上昇②JTの加熱式たばこ「プルーム・オーラ」スイス進出③活力ある老後を送るには?日本の教訓、の3件を要約して紹介します。

自民党の森山裕幹事長が辞意を表明したニュースが、フランス語圏の大衆紙に掲載されています。しかし真の注目点は、幹事長ではなく石破茂総裁(首相)の進退のようです。

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自民・森山幹事長が辞意 首相は支持率上昇

自民党の森山裕幹事長が2日、7月の参院選で敗北した責任をとるため幹事長を退任する意向を表明。フランス語圏のスイス通信社ATS-Keystoneがこれを伝え、大衆紙ブリックなどに掲載されました。

記事は参院選後、石破茂総裁(首相)にも辞任要求が高まる一方、支持率は選挙以降に上昇傾向にあることを紹介しています。支持率上昇の背景として、参院選直後に米国の相互関税が当初予定の25%から15%へと引き下げられたことや、コメ増産政策への転換を挙げた読売新聞の分析を引用しました。(出典:ブリック外部リンク/フランス語)

JT加熱式たばこ「プルーム・オーラ」スイス進出

日本たばこ産業(JT)が9月1日、加熱式たばこの新型本体「プルーム・オーラ」をスイスで発売しました。ドイツ語圏の金融ニュースサイトfinews.chはスイス進出について、米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の「アイコス」が独走する加熱式たばこ市場での巻き返しを狙ったものだと伝えました。

記事は、「先進国市場で従来の紙巻きたばこや葉巻が停滞するなか、低リスクで数十億を稼ぐ成長機会である加熱式たばこ市場は、特に競争が激しい」と説明。プルーム・オーラは加熱レベルを4段階に調整できる独自のカスタマイズ技術が強みだと紹介します。

JTにはもう1つ強みがある、と記事は続けます。グローバル本社(日本たばこ産業インターナショナル=JTI)はジュネーブにあるため、スイス国内には強固な基盤があります。ルツェルン州ダグメルゼレンにある最先端工場では400人以上の従業員を雇用。プルーム・オーラの専用スティック「evo」のフィルターもここで製造されているそうです。

記事は、「スイスでのプルーム・オーラの市場投入は、同社の世界戦略における重要な一歩となる」との同社コメントを引用しました。(出典:finews.ch外部リンク/ドイツ語)

活力ある老後を送るには?日本の教訓

人生の最後を1人で過ごしたくなければ、働かなくてはならない――イタリア語圏の地域紙コリエーレ・デル・ティチーノは豪ABCの報道外部リンクを再構成し、女性専用の便利屋サービスで仕事をしながら充実した生活を送る東京在住の69歳女性の物語とその背景を伝えました。

記事によると、「日本では、彼女のような69歳の女性が見つけられる仕事は、清掃業くらいしかない」ため、女性の職探しは難航していました。たまたま「見知らぬ人のおばあちゃん役を演じる」という求人を見つけ、興味を持って電話を掛けたことが大きな転機に。それはスタッフが全員女性という便利屋サービス「クライアント・パートナーズ」の求人広告でした。

記事は、こうしたサービスが支持を得る理由として、日本に「孤独のエピデミック(流行)」と呼ばれる問題があることや、年金制度が崩壊しつつあることを指摘。「人生の後半に働くことで大きな経済的安定を得られるが、残念ながら40歳代を過ぎると仕事がなく、特に女性の場合はその傾向が強い」(出典:コリエーレ・デル・ティチーノ外部リンク/イタリア語)

【スイスで報道されたその他のトピック】

大川原化工機冤罪事件 勾留中に死亡した元顧問の遺族に警察が謝罪外部リンク(8/26)
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日印協力を強化 首脳会談(8/29)
マスク氏、反移民デモを支持外部リンク(9/2)
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校閲:大野瑠衣子

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