The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

スイス、メートル法準拠から150年

標準器
Keystone-SDA

スイスは150年前にメートル条約に調印し、メートルやキログラムを導入した。それまでスイスの測定単位は地域や使途によって大きく異なっていた。

おすすめの記事

スイスは1875年5月20日、他の17カ国とともにメートル条約に調印した。これにより、スイスは国際単位系に加盟した。

スイス歴史辞典によると、同じ年に連邦法が制定され、国内でメートル法が一般的に使用されるようになった。1877年1月、メートル、リットル、グラムが正式に導入された。

これ以前、スイスの測定方法には大きな混乱があった。

長さの単位は「フィート」「キュビット」「ロッド」が入り混じっていた。面積は「ユハルト」「マングラブ」「マンヴェルク」「クアドラートシュトゥンデ(平方時間)」で測定された。重さには「ポンド」「オンス」「百ウェイト」があった。穀物や塩は袋単位で量った。飲み物は「マース(ものさし)」「ショッペン(哺乳瓶)」「アイマー(ばけつ)」「ツーバー(桶)」単位で数えた。

フィートやキュビットなど、多くは人体に由来する単位だった。面積の単位のほとんどは、一定期間内に行われた労働の推定に基づいていた。例えば1ユハルトは、牛1頭で1日に耕せる土地の広さに相当する。

目的と場所

さまざまな計測単位のうちどれを使うかは、目的や場所によって異なった。例えばブドウ畑の面積は、アルプスでの酪農とは異なる単位で測定された。

スイス歴史辞典によると、ワインや水の最も重要な単位はマース、ポット、ピンタ、ボッカレで、1リットル前後から2リットル以上だった。都市部では農村部よりも小さな単位が使われることもあったが、酪農が盛んな地域では大きな単位が使われた。牛乳、油、蜂蜜にもそれぞれ独自の単位が使われた。

布の長さはキュビットが、その他の長さはフィートで測った。スイス歴史辞典によると、スイス西部とドイツ語圏ではフィートが最も多く使われた。中世後期以降はパリ・フィート、ベルン・フィート、ニュルンベルク・フィートの3種類が主流になった。

標準化までの長い道のり

これらの単位は標準化されていなかった。例えば1キュビットは、ソロトゥルン州では545.9ミリメートルであったが、隣のベルン州では600ミリメートルだった。1フィートは、26~36センチであった。一般的に、1フィート=12インチで、1インチ=12ラインだった。つまり1フィート=114ラインだったが、西部ヴォー州では1フィート=100ラインだった。

1835年に「スイス共通の度量衡制度」に向けた協定が結ばれ、12州でメートル法が導入された。1851年3月13日に制定された連邦法により、スイス全土にメートル法が適用された。

だたウーリ州、ジュネーヴ州、ティチーノ州、ヴォー州、ヴァリス(ヴァレー)州は抵抗した。ウーリ州は従前の単位の維持を望み、他の州は独自のメートル法の放棄に抗った。

スイスがメートル条約に加盟すると、旧弊は完全に廃止された。メートル条約はまた、多くの機関の設立や資金調達についても合意した。標準化のためにメートル原器とキログラム原器を作ることにも合意した。

英語からのDeepL翻訳:ムートゥ朋子

SWI swissinfo.ch日本語編集部では和訳の一部にDeepLやGoogle 翻訳などの自動翻訳ツールを使用しています。自動翻訳された記事(記事末に明記)は、日本語編集部が誤訳の有無を確認し、より分かりやすい文章に校正しています。原文は社内の編集者・校正者の確認を受けています。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

オリーブの木

おすすめの記事

温暖化でスイスがオリーブの名産地に?

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。

もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
山肌に描かれた巨大な絵

おすすめの記事

アルプスに新しい巨大地上絵が登場

このコンテンツが公開されたのは、 世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。

もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
原発

おすすめの記事

スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
セメンヤ

おすすめの記事

欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」

このコンテンツが公開されたのは、 欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。

もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流
プラタナス

おすすめの記事

プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。

もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部