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モビリティショー、金芽米…スイスのメディアが報じた日本のニュース

ユニークな形のクルマ
10月30日~11月9日に開催された「ジャパンモビリティーショー2025」ではユニークな形のクルマが多数披露され、スイスメディアの注目を引いた EPA/KIYOSHI OTA

スイスの主要報道機関が11月5日~11日に伝えた日本関連のニュースから、①スイスメディアが見たジャパンモビリティショー②儲からない世界最高額のコメ、の2件を要約して紹介します。

先週に引き続き、スイスでは日本のクマ退治のニュースが大きな注目を浴びています。そういえば、スイスでは2023年に北イタリアのトレンティーノ州でジョギング中の男性がクマに襲われ死亡した事件も大ニュースになりました。スイスには野生のクマはいませんが、北イタリアには約100頭が生息し、定期的に国境を超えてグラウビュンデン州に入ってくることがあるそうです。

日本のクマ被害については前号でもご紹介したので、今週は日本車の魅力に迫る記事を要約します。

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スイスメディアが見たジャパンモビリティショー

11月9日に閉幕したジャパンモビリティショー(JMS)2025。先週号で紹介した記事は日本自動車メーカーの電気自動車(EV)戦略を解説していましたが、今週は展示会で発表された新モデルに注目が集まっています。

日刊紙NZZが取り上げたのは日産の新型「マイクラ」。日本市場では2022年まで「マーチ」の名で販売されていました。記事は「日本のフランス人」と題し、姉妹車である仏ルノーの「ルノー5(サンク)」との共通性に着目。新型マイクラに斜め後ろから近づいたとき「思わず懐かしさがこみ上げてくる」ほど似ていると紹介しました。ただし、他車との差別化を図るため、マイクラのヘッドライトとテールライトの形状は歴代モデルの「可愛らしさが強調されている」と伝えました。

新型マイクラは6代目で、コロナ禍直前の2019年にはスイスで1100台以上を販売。先月30日~11月2日に開催されたチューリヒモーターショーでもお披露目されたそうです。

大衆紙ブリックは、JSMの会場で「一見奇妙に見えるものが、新たな移動ソリューションへの道しるべになることがある」ことを実感したとルポ。特にダイハツの軽自動車「ダイハツメイ」や、レクサスの「LSマイクロコンセプト」は密集都市・東京にふさわしい自動車だと位置付けています。

また「スイスでは代替燃料としての水素に懐疑的な見方が広まる一方、日本では依然として水素の活用が急速に進んでいる」として、カワサキ、ヤマハ発動機などの企業連合が開発する「HySE」を紹介しました。「彼らの目標は、水素技術を用いた内燃機関の開発を、気候ニュートラルな方法で進めていくことだ」

ブリックはこのほか、「JMSで最もクールな車10選外部リンク」を紹介する記事、メルセデスに先んじて発表されたトヨタのランドクルーザー「FJ」を特集した記事外部リンクも配信しています。

別の大衆紙20min.ドイツ語版は、JMSで発表された「奇抜なコンセプトカー」として、やや現実離れしたデザインの車を5つ、ユーモアを交えて紹介しました。レクサスの「LSマイクロコンセプト」は「富裕層が実際にこのような小型車に乗る姿を想像するとは考えにくい」、ダイハツの「ミゼットX」は「一見すると自動車というより、(玩具入りの卵型チョコレート)キンダーサプライズから出てくるおもちゃを連想する」といった調子です。(出典:NZZ外部リンクブリック外部リンク20min.外部リンク/ドイツ語)

儲からない世界最高額のコメ

東洋ライス(和歌山市)が独自技術で精製する無洗米「金芽米(きんめまい)」。全国から厳選した玄米を金芽米に精製・販売する「世界最高米」は、2016年に「最も高額なお米外部リンク」としてギネス世界記録に認定されています。それから約10年経った今、「この高級米が再び脚光を浴びている」とドイツ語圏の日刊紙ターゲス・アンツァイガーが特集しました。

東洋ライスの雜賀慶二社長(91)は同紙の取材に、世界最高米はビジネスモデルではなく「コメ文化へのオマージュ」として生産していると語ります。「原価計算をすれば、おそらく赤字だろう。高値で売っていても、利益は出ない」

記事によると、物価の高いスイスでも高級・高品質を売りにするコメが売られていますが、高くても1㎏20フラン(約3850円)程度。ギネスに認定された世界最高米の価格(1㎏換算で1万1304円)には遠く及びません。

同紙は米CNNが取材した香港の2人の料理人のコメントも引用。その美味しさに感銘を受けながらも、寿司にするには値段が高すぎる、日常的なレストラン運営には実用的ではないと指摘しました。(出典:ターゲス・アンツァイガー外部リンク/ドイツ語)

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スイス気象台が7年に1度の気候予測「Climate CH2025」を発表しました。排出削減が進まなければ40年後にはスイスの気温が最大4.9度上がる可能性があると予測。熱波や熱帯夜が激増するとみています。

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校閲:大野瑠衣子

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