スイス・ロカルノ国際映画祭の芸術監督リリ・アンスタン氏(43)が就任から2年で辞任した。「戦略的見解の違い」が理由という。
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同映画祭は24日、声明外部リンクで「ロカルノ国際映画祭とリリ・アンスタンは、戦略的見解の相違を認め、双方の合意のもと、別々の道に進むことを決めた」と発表した。
声明では、アンスタン氏の「精力的な仕事」に感謝の意を示した。後任は未定。
アンスタン氏はフランス出身。前芸術監督カルロ・シャトリアン氏(ベルリン国際映画祭の共同ディレクターに指名)の後任として、2019年、翌20年の映画祭を率いた。
就任が発表された2018年8月、アンスタン氏は「長年にわたり世界中の映画ファンから注目されている映画祭」の芸術監督に就任することは「非常に光栄」とコメント。自らが持つ「経験と情熱」のすべてを仕事に注ぐと語った。
同映画祭の女性芸術監督は、アイリーン・ビグナルディ氏に続き2人目だった。
アンスタン氏は1977年にパリで生まれ、以前は自身の制作会社を経営。ローマのフランス系アカデミーの映画関連行事の企画などをしていた。2011~2013年は、パリのドキュメンタリー映画祭CinémaduRéelの副芸術監督も務めた。
昨年のロカルノ国際映画祭は、著名なヒット作はもとより、ベテラン監督の野心作や若手監督の作品に焦点を当て、類まれな成功を収めたと評価された。11日間の来場者数は約15万7500人に上り、前年より微増した。
また、宿泊費が高額なロカルノで若者が映画祭に参加しやすいよう、手ごろな値段の宿泊施設Basecamp外部リンクを提供することにも尽力した。
しかし今年は新型コロナウイルスの影響で、作品上映の大半をオンラインで実施。そのほか、ティチーノの映画館3カ所でも上映した。ロカルノ映画館とムラルト映画館の来場者数は5950人、オンラインプラットフォームの訪問者は約32万人だった。
ロカルノ国際映画祭は毎年8月、スイス南部のティチーノ州ロカルノで開かれている。
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