ロカルノ国際映画祭は5日、新芸術監督にイタリア人の著名映画プログラマー・批評家のジオナ・ナザロ氏が就任すると発表した。同氏は2016年からベネチア国際映画祭の国際映画批評家週間総代表を務める。
このコンテンツが公開されたのは、
ナザロ氏はチューリヒ生まれで、ジャーナリストとして経験を積んだ。同氏は「ロカルノ映画祭を指揮できることを光栄に思う」と述べ、同映画祭を「品質と作家主義に基づく映画製作を常に優先してきた。今やこれまで以上に重要なアイデアが生まれ、動画の未来を創造的に見据える拠点になっている」と評した。
同氏は「映画祭の心臓部であり、映画のしなやかな強さを象徴する中央広場ピアッツア・グランデでの再開を目指し、真っ向から仕事に取り掛かるつもりだ」と述べた。
正式就任は来年1月1日だが、暫定芸術監督のナディア・ドレスティ氏とすぐに仕事を始めるという。
ナザロ氏は2010~2020年、スイス・ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭Visions du Réel Festivalの選考委員会で、出品作を選定するプログラマー兼キュレーターを務めた。独語と英語の言語学と文学の学位を持ち、過去のロカルノ国際映画祭では司会を務めた。
ナザロ氏はこのほか、トリノ映画祭、ローマ国際映画祭、フィレンツェのポポリ映画祭などにも関わってきた。ガス・ヴァン・サント、スパイク・リー、アベル・フェラーラといった映画監督に関するモノグラフ的研究の論文執筆やキュレーションもしている。
ナザロ氏は映画・芸術分野の新技術に関心が高く、ミラノ新美術アカデミー(NABA)でメディアデザインとマルチメディア芸術の教授を務める。スイス連邦内務省文化局映画部の役員でもある。
第74回ロカルノ国際映画祭は来年8月4~14日に開催される。運営側は、新型コロナウイルスに伴う安全衛生措置と国の規制に応じて、イベントの詳細な形式を決める。
前芸術監督のリリ・アンスタン氏は9月末、戦略の違いを理由に就任後2年で辞任した。
おすすめの記事
「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦裁判所(最高裁)は先月26日、チューリヒ地方裁判所の判事の1人に対し、気候活動家に関する裁判への関与を禁じる判決を下した。この判事が過去の裁判で活動家への団結心を見せたとして、考え方に偏りがあると結論付けた。
もっと読む 「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
おすすめの記事
スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。
もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
おすすめの記事
製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの大手製薬ノバルティスは22日、2025年で任期満了となるヨルク・ラインハルト取締役会長の後任に、ジョバンニ・カフォリオ氏を選出すると発表した。
もっと読む 製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
おすすめの記事
スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
このコンテンツが公開されたのは、
エジプト考古省は21日、約30年前に盗まれ国外に流出したラムセス2世像の頭部破片が同国に到着したと発表した。
もっと読む スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
おすすめの記事
スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)は17日、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)の資産を追及する主要7カ国(G7)の国際作業部会には参加しないことを決めた。
もっと読む スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
おすすめの記事
米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
このコンテンツが公開されたのは、
米政府高官は14日、イランによるイスラエル攻撃の前後に、米国は利益代表国であるスイスを通じてイランと接触していたと述べた。
もっと読む 米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
おすすめの記事
チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒの春祭り「セクセロイテン」が15日開かれた。巨大な「雪男」を燃やして夏の天気を占う恒例行事は強風により中止となった。
もっと読む チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
おすすめの記事
スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は10日、「大きすぎて潰せない(TBTF)」銀行に関する規制改革案を発表した。UBSと他の「システム上重要な銀行」3行は、破綻時のスイス経済への影響を抑えるためにより厳しい資本要件を課される必要があると述べた。
もっと読む スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
おすすめの記事
新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州の約2億4200万年前の地層から新種のイカの化石が見つかり、「Chuchichäschtli(クッヒカーシュトリ、スイスドイツ語で『食器棚』)」と名付けられた。
もっと読む 新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
おすすめの記事
スイスのサマータイム廃止はいつ?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで夏時間(サマータイム)が始まった。3月31日午前2時にすべての時計の針が1時間ジャンプし、午前3時を指した。だが夏時間制はとうの昔に廃止されるはずではなかったのか?
もっと読む スイスのサマータイム廃止はいつ?
続きを読む
おすすめの記事
ロカルノ映画祭の芸術監督、戦略の違いを理由に辞任
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・ロカルノ国際映画祭の芸術監督リリ・アンスタン氏(43)が就任から2年で辞任した。「戦略的見解の違い」が理由という。
もっと読む ロカルノ映画祭の芸術監督、戦略の違いを理由に辞任
おすすめの記事
2019年ロカルノ国際映画祭はどうなる? 新芸術監督アンスタン氏語る
このコンテンツが公開されたのは、
ロカルノ国際映画祭が新しい芸術監督を迎えた。昨年12月1日付で就任したリリ・アンスタン氏、42歳。スイスで最も権威ある映画祭の名声を維持するという大きなチャレンジに挑む。映画祭の今後の展望をスイスインフォに語った。
もっと読む 2019年ロカルノ国際映画祭はどうなる? 新芸術監督アンスタン氏語る
おすすめの記事
ロカルノ国際映画祭に協力する学生たち
このコンテンツが公開されたのは、
8月の10日間、スイス南部の魅力的な町ロカルノは、世界各地から集まった映画監督と映画ファンでにぎわう。ヨーロッパ屈指の映画祭に数えられるロカルノ国際映画祭の成功には、舞台裏を支える地元の映画学校の学生たちが一役買っている。
もっと読む ロカルノ国際映画祭に協力する学生たち
おすすめの記事
コロナ禍でわかる ロカルノはただの映画祭ではない
このコンテンツが公開されたのは、
今年のロカルノ映画祭(8月5~15日)は規模を縮小して開催された。それでもスイス人はこの国際映画祭に忠実であり続ける。ロカルノに集まるのを伝統にしている家族もいる。
もっと読む コロナ禍でわかる ロカルノはただの映画祭ではない
おすすめの記事
「旅のおわり世界のはじまり」黒沢清監督、ロカルノで前田敦子への「愛」語る
このコンテンツが公開されたのは、
2019年ロカルノ国際映画祭は17日、閉幕作品として黒沢清監督の「旅のおわり世界のはじまり」を上映した。同映画祭芸術監督のリリ・アンスタン氏から「現代で最も偉大な映画監督の1人」と敬愛を受ける黒沢監督。主演の前田敦子とともにロカルノ入りし、スイスインフォのインタビューで俳優・前田敦子の魅力、主人公の葉子に投影した日本人像などについて語った。
もっと読む 「旅のおわり世界のはじまり」黒沢清監督、ロカルノで前田敦子への「愛」語る
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。