スイスと米国が合意し、先月始まったイランへの人道支援物資の貿易について、イランのザリフ外相は3日、「米国の善意を示すものではない」と語った。現地メディアが報じた。
このコンテンツが公開されたのは、
イラン学生通信社外部リンクなどによると、ザリフ外相は記者団に「小さな一歩だ。スイス政府の努力に感謝する(…)しかし、この貿易チャネルは米国の善意を示すものでは全くない」と述べた。
おすすめの記事
おすすめの記事
イランへの人道支援、ダボス会議で協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)によると、21日始まる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で、スイスが進めていた医薬品や食糧など、イランへの人道的物資の貿易チャネルが協議される見通しだ。
もっと読む イランへの人道支援、ダボス会議で協議へ
スイスと米国は先週、米国の経済制裁下にあるイランに対し、スイス製品の輸出支援を試行的に始めると発表。ザリフ外相の発言はこれを受けたものだ。
スイスは2018年からこのプロジェクトを推進してきた。経済制裁に違反しない範囲で、イランに必要な援助物資を確実に届けられるチャネルを目的としている。
スイス連邦政府は30日、第一陣として、抗がん剤のほか臓器移植用の医薬品230万ユーロ(2億7600万円)相当の輸出に対する支払いが行われたと述べた。
駐スイスのエド・マクマラン米国大使は31日、ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)に対し、このプログラムが 「歴史上初めて、援助が確実にイランの人々に届いている。それも、政権に横領されることなく」と高く評価した。
連邦経済省経済管轄局(SECO)のアーウィン・ボリンガー氏は、スイス政府がこのチャネルを「誇りに感じ、うれしく思う」とコメント。このチャネルを拡大し、スイス企業がイラン国内で安全にビジネス展開ができるシステムも間もなく完成すると語った。
ボリンガー氏は「米国とは明確にすべき技術的・法的問題が残るが、それもほんの数週間で解決できる」との見通しを示した。
米国は2018年、イランとの核合意から離脱。その後イランへの経済制裁を再開・強化した。食糧、医薬品、その他の人道支援物資は制裁の対象外。
しかし米国の経済制裁の対象は原油から海運、金融活動にも広がる。このため一部の外国の銀行が、人道的物資の取引も含めイランとの取引を避ける事態が発生している。イラン国内ではこれに対し、大規模な抗議活動が起こっている。
スイスは米国とイランが国交を断絶した1980年以来、両国関係の仲介役を務めている。
おすすめの記事
おすすめの記事
米イラン関係、なぜスイスが関与?
このコンテンツが公開されたのは、
米国、イランの緊張が高まるにつれ、スイスの仲介役としての役割が再び脚光を浴びている。ところで中立国のスイスが他国の2国間関係に関与するのはなぜなのか。
もっと読む 米イラン関係、なぜスイスが関与?
おすすめの記事
スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦運輸省民間航空局(BAZL/OFAC)が3日発表した2023年の航空安全報告書によると、民間・小型航空機の事故件数は9995件と、前年から24%増加した。
もっと読む スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
おすすめの記事
「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦裁判所(最高裁)は先月26日、チューリヒ地方裁判所の判事の1人に対し、気候活動家に関する裁判への関与を禁じる判決を下した。この判事が過去の裁判で活動家への団結心を見せたとして、考え方に偏りがあると結論付けた。
もっと読む 「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
おすすめの記事
スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。
もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
おすすめの記事
製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの大手製薬ノバルティスは22日、2025年で任期満了となるヨルク・ラインハルト取締役会長の後任に、ジョバンニ・カフォリオ氏を選出すると発表した。
もっと読む 製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
おすすめの記事
スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
このコンテンツが公開されたのは、
エジプト考古省は21日、約30年前に盗まれ国外に流出したラムセス2世像の頭部破片が同国に到着したと発表した。
もっと読む スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
おすすめの記事
スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)は17日、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)の資産を追及する主要7カ国(G7)の国際作業部会には参加しないことを決めた。
もっと読む スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
おすすめの記事
米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
このコンテンツが公開されたのは、
米政府高官は14日、イランによるイスラエル攻撃の前後に、米国は利益代表国であるスイスを通じてイランと接触していたと述べた。
もっと読む 米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
おすすめの記事
チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒの春祭り「セクセロイテン」が15日開かれた。巨大な「雪男」を燃やして夏の天気を占う恒例行事は強風により中止となった。
もっと読む チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
おすすめの記事
スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は10日、「大きすぎて潰せない(TBTF)」銀行に関する規制改革案を発表した。UBSと他の「システム上重要な銀行」3行は、破綻時のスイス経済への影響を抑えるためにより厳しい資本要件を課される必要があると述べた。
もっと読む スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
おすすめの記事
新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州の約2億4200万年前の地層から新種のイカの化石が見つかり、「Chuchichäschtli(クッヒカーシュトリ、スイスドイツ語で『食器棚』)」と名付けられた。
もっと読む 新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
続きを読む
おすすめの記事
米イラン関係、なぜスイスが関与?
このコンテンツが公開されたのは、
米国、イランの緊張が高まるにつれ、スイスの仲介役としての役割が再び脚光を浴びている。ところで中立国のスイスが他国の2国間関係に関与するのはなぜなのか。
もっと読む 米イラン関係、なぜスイスが関与?
おすすめの記事
トランプ大統領、ダボス会議出席へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・ダボスで21~24日に開かれる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に、トランプ米大統領が出席する。
もっと読む トランプ大統領、ダボス会議出席へ
おすすめの記事
「スイスの存在なければ状況悪化の可能性」
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの利益代表がなければ、ペルシャ湾の状況はさらに悪化するだろうー。駐ベルンのイラン大使モハマド・レザ・ハジ・カリム・ジャバリ氏がドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)とのインタビューで、こう発言した。
もっと読む 「スイスの存在なければ状況悪化の可能性」
おすすめの記事
イランへの人道支援、ダボス会議で協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)によると、21日始まる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で、スイスが進めていた医薬品や食糧など、イランへの人道的物資の貿易チャネルが協議される見通しだ。
もっと読む イランへの人道支援、ダボス会議で協議へ
おすすめの記事
イラン、スイス大使を召喚
このコンテンツが公開されたのは、
ロイター通信によると、イラン当局は5日、米国の利益代表を兼任する駐テヘランのスイス大使を召喚し、トランプ米大統領の一連の発言に抗議した。
もっと読む イラン、スイス大使を召喚
おすすめの記事
米イラン対立 イランの中東の影響力はどうなる
このコンテンツが公開されたのは、
米国によるイランのソレイマニ司令官殺害は、イランの中東における影響力を低下させたわけではない。しかし、ジュネーブの専門家は、イラン政府は国内で行き詰まりに直面していると指摘する。
もっと読む 米イラン対立 イランの中東の影響力はどうなる
おすすめの記事
紛争当事国の仲介役を務めるスイス
このコンテンツが公開されたのは、
中東情勢の緊張の高まりと原油価格上昇により、米国とイランの仲介役を務めるスイスの役割が再び脚光を浴びている。しかし、そもそも仲介役とは何をするのか。なぜ永世中立をうたうスイスが国際関係に介入するのか?
もっと読む 紛争当事国の仲介役を務めるスイス
おすすめの記事
米国とイランが拘束者を交換 スイスで
このコンテンツが公開されたのは、
緊張関係が続く米国とイランの間で、拘束者の交換が実現した。交換が行われたのはスイスだ。
もっと読む 米国とイランが拘束者を交換 スイスで
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。