がん患者の子供とその母親。イラン・テヘランの病院で2019年6月撮影
Keystone
スイスと米国が合意し、先月始まったイランへの人道支援物資の貿易について、イランのザリフ外相は3日、「米国の善意を示すものではない」と語った。現地メディアが報じた。
このコンテンツが公開されたのは、
イラン学生通信社外部リンクなどによると、ザリフ外相は記者団に「小さな一歩だ。スイス政府の努力に感謝する(…)しかし、この貿易チャネルは米国の善意を示すものでは全くない」と述べた。
おすすめの記事
おすすめの記事
イランへの人道支援、ダボス会議で協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)によると、21日始まる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で、スイスが進めていた医薬品や食糧など、イランへの人道的物資の貿易チャネルが協議される見通しだ。
もっと読む イランへの人道支援、ダボス会議で協議へ
スイスと米国は先週、米国の経済制裁下にあるイランに対し、スイス製品の輸出支援を試行的に始めると発表。ザリフ外相の発言はこれを受けたものだ。
スイスは2018年からこのプロジェクトを推進してきた。経済制裁に違反しない範囲で、イランに必要な援助物資を確実に届けられるチャネルを目的としている。
スイス連邦政府は30日、第一陣として、抗がん剤のほか臓器移植用の医薬品230万ユーロ(2億7600万円)相当の輸出に対する支払いが行われたと述べた。
駐スイスのエド・マクマラン米国大使は31日、ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)に対し、このプログラムが 「歴史上初めて、援助が確実にイランの人々に届いている。それも、政権に横領されることなく」と高く評価した。
連邦経済省経済管轄局(SECO)のアーウィン・ボリンガー氏は、スイス政府がこのチャネルを「誇りに感じ、うれしく思う」とコメント。このチャネルを拡大し、スイス企業がイラン国内で安全にビジネス展開ができるシステムも間もなく完成すると語った。
ボリンガー氏は「米国とは明確にすべき技術的・法的問題が残るが、それもほんの数週間で解決できる」との見通しを示した。
米国は2018年、イランとの核合意から離脱。その後イランへの経済制裁を再開・強化した。食糧、医薬品、その他の人道支援物資は制裁の対象外。
しかし米国の経済制裁の対象は原油から海運、金融活動にも広がる。このため一部の外国の銀行が、人道的物資の取引も含めイランとの取引を避ける事態が発生している。イラン国内ではこれに対し、大規模な抗議活動が起こっている。
スイスは米国とイランが国交を断絶した1980年以来、両国関係の仲介役を務めている。
おすすめの記事
おすすめの記事
米イラン関係、なぜスイスが関与?
このコンテンツが公開されたのは、
米国、イランの緊張が高まるにつれ、スイスの仲介役としての役割が再び脚光を浴びている。ところで中立国のスイスが他国の2国間関係に関与するのはなぜなのか。
もっと読む 米イラン関係、なぜスイスが関与?
おすすめの記事
スイス・ニトヴァルデン準州の小学校、スマホ禁止へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス中部ニトヴァルデン準州は5日、スマートフォンをはじめとするIT機器の小学校での使用禁止を発表した。授業目的や緊急時などを除き、全面的に学校でスマホが使えなくなる。
もっと読む スイス・ニトヴァルデン準州の小学校、スマホ禁止へ
おすすめの記事
ジュネーブ国連職員約500人が予算削減に反対するデモ
このコンテンツが公開されたのは、
メーデーの1日、ジュネーブで国連欧州本部職員500人近くが国連の緊縮財政に反対する異例のデモ活動を実施した。
もっと読む ジュネーブ国連職員約500人が予算削減に反対するデモ
おすすめの記事
バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ
このコンテンツが公開されたのは、
5月11~17日の欧州国別対抗の音楽祭「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト(ESC)」開催中、バーゼルでは「カラオケ・トラム(路面電車)」が運行する。ビンテージ車両で90分間かけて街を走る間、乗客は無料で歌い踊ることができる。
もっと読む バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ
おすすめの記事
ジャッキー・チェンさんに名誉豹賞 ロカルノ映画祭
このコンテンツが公開されたのは、
第78回ロカルノ国際映画祭で、香港出身の俳優ジャッキー・チェンさん(71)に生涯功労賞である「名誉豹賞」が贈られることが決まった。
もっと読む ジャッキー・チェンさんに名誉豹賞 ロカルノ映画祭
おすすめの記事
グミベアが躍る「ロボケーキ」大阪・関西万博スイス館で展示
このコンテンツが公開されたのは、
動くクマのグミ、チョコレート味の電池――大阪・関西万博のスイス館では、ロボット工学者とパティシエ、ホテリエが合作した「ロボケーキ」が展示されている。
もっと読む グミベアが躍る「ロボケーキ」大阪・関西万博スイス館で展示
おすすめの記事
スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
このコンテンツが公開されたのは、
日本を公式訪問中のスイスのイグナツィオ・カシス外相は22日、2025年大阪・関西万博のスイス・ナショナルデーのオープニングセレモニーに出席し、結束と対話を呼びかけた。
もっと読む スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
おすすめの記事
フランシスコ教皇死去、スイス大統領が哀悼
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのカリン・ケラー・ズッター連邦大統領は、21日死去したローマ教皇フランシスコに哀悼の意を表した。
もっと読む フランシスコ教皇死去、スイス大統領が哀悼
おすすめの記事
WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
このコンテンツが公開されたのは、
世界経済フォーラム(WEF)は21日、創設者で会長のクラウス・シュワブ氏が同日付で辞任したと発表した。
もっと読む WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
おすすめの記事
スイス外相、日本と中国を訪問
このコンテンツが公開されたのは、
イグナツィオ・カシス外相は日本と中国を公式訪問する。
もっと読む スイス外相、日本と中国を訪問
おすすめの記事
TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
このコンテンツが公開されたのは、
米誌タイムズの「2025年最も影響力のある100人」に、弁護士コーデリア・ベール氏がスイス人女性では唯一ランクインした。ベール氏は気候訴訟で異例の勝訴判決を勝ち取った人物だ。
もっと読む TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
続きを読む
おすすめの記事
米イラン関係、なぜスイスが関与?
このコンテンツが公開されたのは、
米国、イランの緊張が高まるにつれ、スイスの仲介役としての役割が再び脚光を浴びている。ところで中立国のスイスが他国の2国間関係に関与するのはなぜなのか。
もっと読む 米イラン関係、なぜスイスが関与?
おすすめの記事
トランプ大統領、ダボス会議出席へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・ダボスで21~24日に開かれる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に、トランプ米大統領が出席する。
もっと読む トランプ大統領、ダボス会議出席へ
おすすめの記事
「スイスの存在なければ状況悪化の可能性」
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの利益代表がなければ、ペルシャ湾の状況はさらに悪化するだろうー。駐ベルンのイラン大使モハマド・レザ・ハジ・カリム・ジャバリ氏がドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)とのインタビューで、こう発言した。
もっと読む 「スイスの存在なければ状況悪化の可能性」
おすすめの記事
イランへの人道支援、ダボス会議で協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)によると、21日始まる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で、スイスが進めていた医薬品や食糧など、イランへの人道的物資の貿易チャネルが協議される見通しだ。
もっと読む イランへの人道支援、ダボス会議で協議へ
おすすめの記事
イラン、スイス大使を召喚
このコンテンツが公開されたのは、
ロイター通信によると、イラン当局は5日、米国の利益代表を兼任する駐テヘランのスイス大使を召喚し、トランプ米大統領の一連の発言に抗議した。
もっと読む イラン、スイス大使を召喚
おすすめの記事
米イラン対立 イランの中東の影響力はどうなる
このコンテンツが公開されたのは、
米国によるイランのソレイマニ司令官殺害は、イランの中東における影響力を低下させたわけではない。しかし、ジュネーブの専門家は、イラン政府は国内で行き詰まりに直面していると指摘する。
もっと読む 米イラン対立 イランの中東の影響力はどうなる
おすすめの記事
紛争当事国の仲介役を務めるスイス
このコンテンツが公開されたのは、
中東情勢の緊張の高まりと原油価格上昇により、米国とイランの仲介役を務めるスイスの役割が再び脚光を浴びている。しかし、そもそも仲介役とは何をするのか。なぜ永世中立をうたうスイスが国際関係に介入するのか?
もっと読む 紛争当事国の仲介役を務めるスイス
おすすめの記事
米国とイランが拘束者を交換 スイスで
このコンテンツが公開されたのは、
緊張関係が続く米国とイランの間で、拘束者の交換が実現した。交換が行われたのはスイスだ。
もっと読む 米国とイランが拘束者を交換 スイスで
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。