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お墓貸します チューリヒの墓地

エンジェルのリリーフが彫られた墓に入ることも、格安で可能なチューリヒの墓地。 swissinfo.ch

チューリヒ市の埋葬課では、8年前から無縁となった家族のお墓をレンタルしている。市民でもこのサービスを知らない人も多く、市が広告を出した途端、問い合わせが多くなったという。

このコンテンツは 2004/04/30 15:16

芸術作品とも言える墓碑の下に埋葬されるという「夢」を叶える費用は1�uにつき年間2400円から。遺族は、お墓をきちんと手入れして大切に扱うことが条件となっている。墓碑が文化財保護の指定を受けていることもあるからである。

スイスでは墓地はほとんど自治体が運営している。お墓の種類は、共同墓地、一般墓地、家族墓地と3種類ある。
共同墓地は遺骨は他の人と区別なく埋葬される。一般墓地はおよそ20年の寿命。20年経つと掘り起こされ、同じ場所に別の人が埋葬される。共同墓地か一般墓地かの選択は、まったく個人の好みである。家族墓地は代々家族が所有する墓地で、家族一同が同じ場所に埋葬される。
経費を見ると、チューリヒの市民として登録したその足で、不幸にも事故で死亡した場合でも、埋葬とお葬式に掛かる費用は、火葬、土葬を問わず、遺体に着せる洋服のコスト(およそ6,300円)以外すべて市が持つ。特別の希望があれば、その経費は遺族が負担することになる。維持費は大人の場合年間70フラン(およそ6,000円)。その他、お墓に植えるお花代が年間57フランから82フラン(同4500円から7,000円)。バラを望む人は、さらに29フラン(同2,500円)かかる。

無縁墓地をなくそう

家族持ちのお墓でも遺族が訪れることもなく荒れ果て、無縁になってしまったら整地され、これまでは芸術品とも言える墓碑までも処理されていた。

人の行き来が激しくなり、いまやチューリヒの由緒ある家族でもスイス全国や海外にまで散っている。家族がチューリヒから引越してしまい、訪れる人がいなくなると、お墓も荒れる。

1877年に建設されたチューリヒ市内のジールフェルト墓地では1997年、文化財として370基のお墓が保護されることになった。以後、チューリヒ市内の6ヶ所の墓地でもお墓が文化財として指定されるようになった。

お墓を文化財として保護するよう運動を起こした美術史専門家のマインラード・フーバー氏によると「墓地には市民の歴史がある。あらゆる社会階級が一堂に会した場」だと語り、チューリヒ市の歴史として保護する必要性を感じたという。

レンタル

こうした無縁墓地をチューリヒ市では、1�uにつき年間30フランから50フラン(およそ2400円から4300円)で貸し出している。レンタルの最低年数は30年。最高50年まで借りられる。墓碑が文化財として保護されている場合、新しく名前を彫ることは許されないため、横に小さな墓碑を置くことが許されている。保護されていなければ、前の人の名前を消して、自分の名前を彫ることもできる。

大企業の元社長の墓にその企業の工場で働いていた工員が入り込み、自分の墓として遺族にお参りに来てもらうということもありうる。埋葬された工員が、社長と隣り合わせになるという心配はほとんどない。昔は、埋葬の際、深く掘ったので、レンタルした人の遺体は「社長さん」の上に埋葬されるからである。 チューリヒ市がお墓のレンタルの広告を最近出し、市民の興味を惹きつけた。国内でもお墓のレンタルは例がないが、共同墓地や20年で掘り返されてしまう一般墓地などに違和感のない市民なら、一考の余地はあるかもしれない。

スイス国際放送 佐藤夕美 (さとうゆうみ)/ ブリギッタ・ヤブレック

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