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アーミーナイフの売上落ちる

スイス軍の二等兵が持つ携帯ナイフはこれよりも質素 アウトドアレジャーの必需品として人気が高い

(RTS)

スイスアーミー・ナイフはお土産として人気の商品のひとつだが、スイスを訪れる観光客の減少などから、売上が落ち込んでいる。

スイス軍に携帯ナイフを納入しているのは、ヴェンガーとビクトリノックスの2つの会社。いずれも100年以上の歴史を持つ。両社は軍隊用のほかに多種類の携帯ナイフを製造しているが、十字のエンブレムが付いたスイスアーミー・ナイフは、スイス人ほか観光客にも人気がある。

しかし、2年前の米国同時多発テロ事件以来、売り上げが思うように上がらず、ヴェンガーは従業員の労働時間の短縮を強いられている。

 スイスアーミー・ナイフは、スイスの兵士が持つ携帯ナイフ。スイスを訪れる外国人にとって、「崇拝の対象」とでも言える人気の高い商品。買うか買わないかは別としても、必ず観光客が手にする。スイスで生産されるアーミーナイフの8割は観光客の手を通して、もしくは直接外国へ輸出される。

 しかし、2001年9月11日の米国同時多発テロ事件以来、機内持込の荷物検査で見つけ出されることも多くなり、スイスアーミー・ナイフは武器として見られるようになった。以外なイメージダウンにつながったテロ事件で、人気も落ち込んでいる。

テロの影響

 2年前の同時多発テロ事件以来、テロ対策で世界中の警備が厳しくなり、スイスアーミー・ナイフも武器のひとつとして見られるようになった。このため、旅行者がお土産として買い求めるのを控えるようになったという。

 売り上げが落ち、製造元のヴェンガーは、3年前に従業員削減し210人まで縮小したが、今回はさらに一部の従業員の労働時間を短縮する措置を講じた。同社のモーリス・カショ社長は、同時多発テロ、イラク戦争、サーズの流行のほか、スイスフラン高が売り上げ減少の理由という。
「世界中で、売上が伸び悩んでいる。旅行客の減少のほか、不景気で企業も顧客へのプレゼントを控えるようになった」
とカショ社長。顧客へのプレゼントなど企業のニーズは同社の売上の3割を占める。

 アーミーナイフのもうひとつの製造会社であるビクトリノックスも状況は同じようなもので、2001年9月の空港にある免税店でのアーミーナイフの売上はほとんどゼロだった。カール・エルズナー社長によると、テロ事件の影響で売り上げは1割減少した。本年も世界的に景気は引き続き回復せず、売り上げはさらに1割下がると見ている。

絶頂期は過ぎた

 スイスを訪れる観光客は今年5%減少すると見られ、ヴェンガーの売上も5%落ちると見込まれる。ヴェンガーもビクトリノックスもスイス軍からの保証された受注があるが、スイス軍の縮小計画により、兵士の数は今の36万人から22万人に減らされることになり、受注もおのずと減ることになる。

 ジュネーブ国際空港では、キーホルダー用の長さ6センチ以下の小さいアーミーナイフの機内持ち込みは認められるというパンフレットが旅行客に渡されるようになった。スイスアーミーナイフを扱う小売店の店員によると、
「売上が落ち込んでいるのは空港内の販売拠点。ほかの店は順調に売りさばいている。お客の3分の2は外国人で、お土産に買ったアーミーナイフはスーツケースなど預ける荷物の中に入れている」
という。

 しかし、ヴェングラーのモーリス・カショ社長は、
「絶頂期は過ぎたかもしれない。テロでスイスアーミーナイフのイメージが下がり、武器として見られるようになった」
とアーミーナイフがお土産として選ばれにくくなったと語った。ビクトリノックスでは、スイスのお土産はアーミーナイフから時計や他の商品にシフトしていると見ており、こうしたニーズに応えるため製品の見直しを検討中という。

スイス国際放送 ウルス・マウラー 意訳 佐藤夕美 (さとうゆうみ)


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