国営のポストバスは連邦および州から多額の補助金を不正に受け取っていた
Keystone
このコンテンツが公開されたのは、
ビジネスを行う場所としてのスイスの評判が昨年深刻な打撃を受けた。銀行詐欺から補助金不正受給問題まで、さまざまなスキャンダルがスイスのイメージに影を落とした。
スイス・バーゼルを拠点とするコンサルタント会社コムスラブ(Commslab)とチューリヒ大学のfög研究所が12日に発表した「スイス経済評判インデックス」2018年版によると、スイスのイメージは5四半期連続で下落し、2014年7月以来最低の水準に達した。
コムスラブは、財政と現実世界の動向の悪化につながったとみる。スイスの金融セクターにダメージを与えたのは、特にライフアイゼン銀行の元頭取が銀行詐欺の罪に問われたスキャンダルが大きかった。また、フランスや米国で法的争いのあったUBS銀行の脱税と資金洗浄も影響した。
スイスの山々を走る黄色いバスで知られるスイス国営のポストバスは、2007年から2015年にかけて会計の不正操作を行い、連邦および州から数十億円に相当する補助金を不正に受け取っていた事実が発覚し、非難の対象となった。これにより、ポストバスの経営陣全員、スイス郵便の最高経営責任者(CEO)、そして理事会の数名が辞任に追い込まれた。
個々のセクターに関しては、保険会社とライフサイエンス企業が最高の評価を得てこれまでの好イメージをさらに向上させた。建設業とメディア部門も評判がアップしている。
銀行セクターは下位に下落し、最下位は運輸/物流会社だった。 この指数は、18セクターで138の企業を含む約1万4800の一般的なメディア報道をもとに統計を取った。
おすすめの記事
おすすめの記事
海外メディア、2018年はトランプ氏のダボス会議出席やサッカー選手の「双頭の鷲」ジェスチャーに注目
このコンテンツが公開されたのは、
トランプ米大統領のダボス会議出席、テニスのスター選手ロジャー・フェデラー、サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会でスイス代表選手が見せた「双頭の鷲」ジェスチャー。今年、海外メディアやソーシャルメディアで特に注目されたスイスのトピックだ。
もっと読む 海外メディア、2018年はトランプ氏のダボス会議出席やサッカー選手の「双頭の鷲」ジェスチャーに注目
おすすめの記事
欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
このコンテンツが公開されたのは、
欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。
もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
おすすめの記事
スイスでは現金のチップが主流
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。
もっと読む スイスでは現金のチップが主流
おすすめの記事
プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。
もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
おすすめの記事
スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は19日、政策金利を0.25%引き下げて0%にすると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
おすすめの記事
欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
メディア報道によると、ドイツ、フランス、英国の外相は20日、スイス・ジュネーブでイラン外相と核協議を行う見通しだ。
もっと読む 欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
おすすめの記事
スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス上院は17日、超富裕層の相続に相続税を課し環境保護の財源にする案を否決した。
もっと読む スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
おすすめの記事
見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。
もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
続きを読む
オピニオン
おすすめの記事
疑問視されるスイスの国際政治
このコンテンツが公開されたのは、
最近スイスで起きた三つの論争を振り返ると、人道を重んじるスイスの良心的な外交政策と現状に疑問を感じざるを得ない。
スイスは先進国と付き合うなかで、経済成長や中立の歴史に加え、ジュネーブに赤十字委員会や国連人権委員会など国際社会の良心といえる組織が拠点を置いていることを誇りにしてきた。国際機関の拠点都市ジュネーブを抱え、冷戦下のレーガン・ゴルバチョフ会談やシリアの和平交渉の舞台にスイスが選ばれたことは、人権や人道問題に関するスイスのイメージを高めてきた。
もっと読む 疑問視されるスイスの国際政治
おすすめの記事
スイス連邦工科大学、1.5兆円の経済効果
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦工科大学(ETH)は2016年、関係機関全体で10万人分の雇用を生み、130億フラン(約1.5兆円)の経済効果を生んだとする調査結果を、英国の経済コンサルティング会社ビガー・エコノミクスが出した。年間予算の4倍の利益を生んでいる計算だ。
もっと読む スイス連邦工科大学、1.5兆円の経済効果
おすすめの記事
スイス・ポストバス、補助金不正で経営陣が一斉辞任
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのポストバス社による補助金不正受給問題をめぐり、信用を失墜させた責任を取って、同社の経営陣が全員罷免される。スイス連邦運輸省の調査報告によると、同社は過去10年間にわたって、不正会計によりおよそ8000万フラン(約92億円)の国や州からの補助金を不当に取得していた。
もっと読む スイス・ポストバス、補助金不正で経営陣が一斉辞任
おすすめの記事
存在感薄れるスイス・チューリヒの金融業界
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの金融業はチューリヒ州に集中している。スイスで金融関係の仕事に就く人の41%を抱え、金融業の生産高の45%を創出する。だが2007~08年に起きた金融危機は、その優位性を奪い去った。チューリヒ州経済労働局は18日発表した調査報告書にこう記した。
もっと読む 存在感薄れるスイス・チューリヒの金融業界
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。