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クラスター爆弾禁止条約  8月1日発効



クラスター爆弾を点検するコロンビアの兵士。コロンビアのマランドゥア基地にて

クラスター爆弾を点検するコロンビアの兵士。コロンビアのマランドゥア基地にて

(Reuters)

クラスター爆弾は、広範囲に飛散した不発弾が事実上の地雷となり、民間人に多くの犠牲者を生む。この爆弾の使用、製造などを禁止する「クラスター爆弾禁止条約」が8月1日に発効する。

現在107カ国が署名し37カ国が批准済みの同条約は、今年2月に30カ国の批准が達成された段階で、国連 ( UN ) により8月の発効が決定された。スイスは署名しているがまだ批准はしていない。

スイスの批准

 少量だが、なおクラスター爆弾M85を製造しているスイスは、2008年5月にダブリンで採択された「クラスター爆弾禁止条約 ( オスロ条約 ) 」に署名したものの、まだ批准に時間がかかっており、早くても2011年の末に批准するという

 批准にはまず連邦議会の承認が必要だ。しかしNGO「ハンディキャップ・インターナショナル ( Handicap International ) 」のスイス支部事務局長ポール・ベルムロン氏は、この連邦議会での承認プロセスを早めるために提案された発議は、すでに連邦議会の上下院を通過しており、批准が早まる可能性は高いと見ている。

 また、スイス軍で陸軍中尉を務めるアレクサンドル・ヴォートラヴェール氏も、数カ月後の同条約に関する法律プロジェクトや兵器製造業界などからも、批准にそれ程強い反対が起こるとは考えられないと話す。しかし、「クラスター爆弾の使用を禁止すると、スイスの砲兵隊は75%の砲火弾を失うことになる」と、軍の雑誌の編集長も務めるヴォートラヴェール氏は付け加える。

 その結果、ヴォートラヴェール氏は、スイスではクラスター爆弾の製造、使用に関する修正法案が採択される可能性もあると見ている。つまり、戦争時やこの爆弾が有効と見なされる場合には例外的に使用を許可するといった修正案だ。

 もちろん、クラスター爆弾の全面的禁止を支持する側からは、このような修正案は意味を成さず、たとえ条約に批准しても実質性がなくなると批判するが
「ベトナム戦争中、破壊力がより強いナパーム弾に替わるものとして、アメリカ軍が開発したのがクラスター爆弾。比較の問題だが、少なくともこの爆弾のほうがナパーム弾よりはましだ」
 とヴォートラヴェール氏は話す。

ラオスに2億7000万個クラスター爆弾

 ラオスは「クラスター爆弾禁止条約 」の発効を当然ながら歓迎する。1964年から1973年にかけ、アメリカ軍はベトナムの隣国ラオスに2億7000万個のクラスター爆弾を投下した。

 その3分の1以上が不発弾、つまり地雷となって残っている。ダブリンで同条約が採択された2008年、「地雷撤去スイス基金」の所長ハンスユルグ・エベルル氏は、スイスフランス語圏の日刊紙「ル・タン ( Le Temps ) 」の紙上で
 「これらラオスに残る不発弾を撤去するには50年かかる。このせいで、ラオスの膨大な地域では農業が行えない上、日々突然の炸裂で死亡する人やハンディキャップになる人が後を絶たない。ベトナム戦争後30年もたっているというのに」
 と嘆いている。

 実は、11月8日から12日に「クラスター爆弾禁止条約 」の署名国が集まる第1回会議の開催地が、このラオスだ。この会議では条約の効力をさらに高め、具体的なプログラムの構築が進められるという。

NGOによるモニター

 ところで、ベルムラン氏は、1999年に発効された「対人地雷禁止条約」での経験に基づき、条約に違反する国を公開するNGOによるモニターは、その国に圧力をかける優れた手段になると考えている。実際、クラスター爆弾禁止条約は、対人地雷禁止条約と対になって、特別訓練を受けたNGOの専門家100人あまりによりモニターが実施される。

 すでに対人地雷条約に関してはこうしたモニターが行われており
「1999年以来、いくつかのアフリカの国での使用が疑われていることを除けば、すべての署名国が対人地雷を使用していない」
 と最近のレポートは報告する。

 また、署名をしていないロシアとビルマが2008年、2009年に対人地雷を使用してはいるが、世界でゲリラ的な活動を続ける60近いグループは対人地雷を使用しておらず
 「これは対人地雷の兵器市場が減少している証拠であり、またNGOが行うモニターシステムが有効に機能している証拠だ」
 とベルムラン氏は胸を張る。

 ただ、NGOのモニター活動など優れた側面はあるが、爆弾の禁止がすべてスムーズに進んでいるわけではない。ヴォートラヴェール氏は、兵器製造の主要大国である、アメリカ、中国、ロシア、北朝鮮、イラン、イスラエルといった国が、対人地雷禁止条約にもクラスター爆弾禁止条約にも署名していない事実を上げ、釘をさす。

 しかし、国際機関に関する専門家イヴ・ラドー氏は、NGOが政府に代わってモニターを行うことの有効性を強調する。
 「実際、ある国の政府関係者にとって、信頼関係を築いているほかの国の関係者を相手どって、まず検査を行い、その結果条約を遂行していないといった点を公に指摘することは非常に難しいからだ」
 と分析している。

フレデリック・ビュルナン、swissinfo.ch
( 仏語からの翻訳、里信邦子 )

クラスター爆弾禁止条約 (オスロ条約)

クラスター爆弾は、大砲、ロケット砲、爆撃機からの投下が可能。通常は空中で爆発し、数十発ときには数百発の子爆弾をサッカー場と同じくらいの範囲に飛散させる。これら広範囲に散った子爆弾は爆発しないことも多く、不発弾が事実上の地雷となって残り、民間人に多くの犠牲者を生む。

2008年に締結された「クラスター爆弾禁止条約」は、同爆弾の使用、製造、移譲を全面的に禁止。また、不発弾の除去、貯蔵弾の廃棄に関し、厳しい制限を設けている。2010年8月1日に30カ国以上の批准により発効される。

主な出典 : NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ ( Human Rights Watch ) 」

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