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世論調査でみるコロナ1年 スイス人の心境はどう変わった?

コロナワクチン接種が始まったことで、健康面に対するスイス人の不安は若干和らいだようだ Keystone / Peter Klaunzer

スイスで初の新型コロナウイルス陽性者が出てから1年。国内では第3波到来の可能性も言及され、セミロックダウン(部分的な都市封鎖)が継続中だ。調査機関ソトモが実施した7回目の世論調査では、長期化するコロナ禍で市民の心境がどう変化したかが浮き彫りになった。

このコンテンツは 2021/03/26 08:00

コロナに関する世論調査他のサイトへは調査会社ソトモがスイス公共放送協会(SRG SSR)の委託を受け実施しており、今回で7回目。新型コロナウイルス感染症による国内初の死亡者が報告されてからちょうど1年後の3月初め、約4万9900人を対象に実施した。

コロナ世論調査の概要

swissinfo.chの親会社スイス公共放送協会(SRG SSR)が委託し、世論調査会社ソトモが3月9~15日、国内の全言語圏に住む過去最高の4万9909人(15歳以上)を対象にオンラインで実施。昨年3月から実施しており、今回で7回目。

調査対象者は自主参加のため、標本は母集団を代表するものではない。データは統計的重み付け手法を取り入れた。誤差の範囲は+/- 1.1%。

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この1年で顕著に変化した指標の1つが「病院の状況に対する評価」だ。第1波が去り、最初の部分的ロックダウンが解除された昨年6月時点では、医療機関の状況を楽観的にとらえる人が全体の86%と、3月時点(30%)に比べ急増した。だが第2波が到来した10月時点では再び悪化し、変異株の感染が拡大した今年1月には16%まで落ち込むなど不安が広がった。

一方、今回の調査では「病院の状況は良い」「非常に良い」と答えた人が全体の49%を占め、「悪い」「非常に悪い」の8%を大きく上回った。

「国民のムード」では若干異なる結果が出た。昨年夏から秋にかけて楽観的ムードが大きく下降した後は、「良い」「非常に良い」がほぼ横ばいの10%以下で推移している。調査の担当者は「ポジティブなトレンドへの転換はまだみられない」と指摘した。

傲慢(ごうまん)さが復活

パンデミック(世界的大流行)の対応に対する市民の評価もまた、この1年で大きく変わった。昨年春の第1波の間、スイス政府は他国より緩い制限措置でウイルスの制御に成功したため、多くの人がスイスを欧州諸国の模範と評価した。だが第2波では、スキー場の営業続行など物議を醸した措置や感染率の高さが、市民の支持を落とした。

ただ、今回の調査ではその自信が、ある種の傲慢(ごうまん)さと共に復活した。回答者の40%はスイスが他の欧州諸国よりもうまくパンデミックに対応していると答え、反対の考えを持つ人は15%にとどまった。昨年1月の調査でうまく対応できていると答えたのは34%、そうではないと答えた人は28%だった。

調査の担当者は「今年1月の前回調査以降、特に国内の感染状況が大幅に改善し、入院者数と死亡者数が減少した。感染者数は最近、再び増加しているが、近隣諸国より緩い制限措置で数を低く抑えることができた」と説明する。

政府への信頼度も上昇

コロナ対策を率いる連邦内閣への信頼度も時間とともに大きく変化した。昨年春の第1波が終わった時点で、政府の対応を肯定的に評価した人は全体の67%に上った。だがそれ以降、信頼度は低下の一途をたどり、今年1月には最低の33%に落ち込んだ。

今回の調査では再び49%に上昇したが、回答者の3分の1は政府への信頼度が低い、またはとても低いと答えた。

調査の担当者は「連邦内閣が(州からコロナ対策の)手綱を再び引き継いだということと(...)取られた措置は、症例数の大幅な減少と病院の救済につながり、連邦政府への評判に明らかにプラスの効果をもたらした」と分析する。

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残る不安

だが全体が楽観的なムードに包まれているわけではない。昨年末に新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種が始まり、健康面への不安は改善されたものの、それ以外のことについて心配する人が増えた。

調査では「自由の制限」に不安を感じる人はさらに増えた。これはパンデミックに関連した「個人的な不安」で最も多く、全体の64%に上る。次に多いのは「社会的孤立・孤独」で52%だった。調査の担当者は「パンデミックの長期化の影響が如実に表れている」と説明する。

社会全体に関する懸念事項では経済危機が最多の31%、長期的な個人の自由の喪失が29%、社会的紛争が22%だった。

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ウィズコロナ

昨年、国民はパンデミックが比較的早く収まると期待していた。昨年4月時点では、大半が夏までにこの悪夢が終わると回答。2カ月後の同年6月においても、半分が冬の初めまでには状況が再び正常に戻ると答えた。

だが第2波と変異株の出現によって、市民の予測はさらに悲観的なものになった。今回の調査では、回答者の半数が今年の冬までは状況が厳しいだろうと予測。4分の1はそれよりもさらに長くなると答えた。また67%は、長期にわたってウイルスと共存する方法を学ばなければならないと答えた。

(独語からの翻訳・宇田薫)

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