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スイスの兄弟、「音の彫刻」で文化庁メディア芸術祭大賞受賞

音の彫刻「シクロイド- E ( cycloïd-E )」。デコスター兄弟の創作は日本でも好評を博した codact.ch

スイスのミッシェル・デコスター、アンドレ・デコスター兄弟が作った不思議な「音の彫刻」が東京で開催された第14回文化庁メディア芸術祭のアート部門で大賞に輝いた。

このコンテンツは 2011/02/21 15:00
アリアンヌ・ジゴン, swissinfo.ch

この音の彫刻「シクロイド- E ( cycloïd-E )」は、製作された2009年にまず故郷のヌーシャテル州の人々を魅了し、その後世界各地でさまざまな賞を受賞。東京から帰国しカナダでの授賞式に出発する前に、2人にインタビューした。

東京中にシクロイド- Eのポスター

大賞に輝いたシクロイド-Eは5本の金属製の管が、階段状に取り付けられたものだ。これらの管は基部のモーターによって回転し、その先に付けられたスピーカーから音を発する。動きはモーターによって振り子のように調節され、振り子が動く軌跡は正確でありながら、一方で予測不可能なパターンを描く。そのため、複合的で魅力溢れる音を奏でる。いわば一つの自動楽器であり、動く彫刻でもある。

ところで、文化庁メディア芸術祭はアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門から構成される。今回49カ国から約2600点の応募があり、その中から選ばれた受賞作品と審査委員会推薦作品約170点が、2月2日から13日まで東京で一般公開された。スイスの作品シクロイド-Eが大賞を受賞したアート部門は、外国からの参加者が多くその4割を占めたという。

この展示会から帰国したばかりの弟のミッシェルさんは、日本で歓待されたと語り、文化庁メディア芸術祭を

「完璧なオーガナイズ。細部まできちんと考慮されていながら同時に温かく親切な対応で、素晴らしい芸術祭だった」

と高く評価。

「それに、東京では僕たちの作品『シクロイド-E』のポスターが街のほとんどの壁に貼られていた。こんなことは人生でそうあるのもではない」

とまだ興奮もさめやらない様子だ。

兄弟の補完関係

シクロイド-Eは、非常によく似たこの兄弟がお互いを補完するようにして生まれた作品だ。

兄のアンドレさんは、現代音楽や劇のための音楽を作る作曲家。ローザンヌの「音楽・ジャズ学校 ( Ejma )」で教鞭を取る。一方弟のミッシェルさんは ( 時計製造及びユネスコ世界遺産で有名な) ラ・ショードフォン ( La Chaux-de-Fonds ) に住み、ビール/ビエンヌ ( Biel/Bienne ) の建築事務所で働く。

2人は本業の合間に時間を作って、遠く離れているにもかかわらず今回のような「音を発する彫刻のような作品」を作り続けてきた。非常に大雑把に分けると、アンドレさんが音楽をミッシェルさんが技術面を担当している。

「正確には、まず一人が自分の担当部分を終了したら、もう一人が自分の所をやるというふうにして作業が進んでいった」

と2人は話す。

2人の協力関係を知るためにわざわざ家族のアルバムを開く必要はない。2人は、子どものころから、エンジニアの父親が手渡してくれる電気機械を解体し、また組み立て直すといったことを一緒にやってきた。

アンドレさんは、こうした子ども時代の経験に加え、オルガン製造の見習いの期間に「音楽の機械的側面」を発見したと話す。

10点目の作品、パンドゥルム・コー

ところで、東京から戻り、カナダに出発する前に2人はもう一つの新しい作品に少し手を加えた。これは1997年から数えて10点目にあたる。2009年にヌーシャテル州立銀行の文化賞を射止めた作品で、その名は「パンドゥルム・コー ( Pendulum Choir ) 」。

12体の音を出す 人形 がジャッキ状の台の上に取り付けられている。これら人形は高音や低音の声を発しながら、低音の場合はほとんど台の上に倒れるように傾く。

「これら12体は全員でいわば肺の機能を示しているようなものだ。息を吸ったり吐いたりする動きがテーマだ」

とミッシェルさんは説明する。

シクロイド-Eは現在、トラックや船などで世界中を旅しているが、このパンドゥルム・コーはまだスイスの国境を出たことがない。しかし、この作品もやがて世界のさまざまな賞を射止めるための旅に出る日が近いのではないだろうか。

デコスター兄弟の略歴

アンドレ・デコスター 氏( André  Décostard  )

1967年、ヌーシャテル州ロックル ( Locle ) に生まれる。

1984~1988年、オルガン製造の見習い。

1995年、ローザンヌの「音楽・ジャズ学校 ( Ejma )」卒業。

1997年以降、作曲家として、現代音楽や劇のための音楽などを作る。人間と機械との相互関係なども研究。現在、Ejmaで教鞭を取る。

ミッシェル・デコスター氏 ( Michel Décostard  )

1969年、ヌーシャテル州ロックル ( Locle ) に生まれる。

1994年、ビエンヌ/ビールの工業専門学校で建築士の学位取得。

1994~1996年、ドイツのベルリンとワイマールで建築の仕事に従事。

1997年以降、造形作家、建築家として活躍。また同時に音を使った機械の開発を行う。

2人で「Cod.Act」という、音彫刻製作のグループを作っている。

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