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スイス銀行  マネーロンダリングの汚名返上なるか? 

マネーロンダリングの告発件数は減少しているが・・・ (イメージ写真: swissinfo)

スイスでは、マネーロンダリング(犯罪にかかわる資金の洗浄)の疑いがある場合、銀行が当局に通達する義務を負っている。2006年も前年に引き続き、こうした告発件数が減少した。

全体的には減少している一方、テロ関連の資金についての告発は増加しているという。
マネーロンダリング・リポート局 (Money Laundering Reporting Office of Switzerland/MROS) が2005年の統計をこのほど、発表した。

 スイスの銀行は、顧客の情報を外部に漏らさない守秘義務を負うと連邦憲法で定められている。このため、犯罪に絡んだ資金でも警察に告発されないという誤解がまだあるようだ。たとえば、日本のライブドアーの資金がスイスの銀行に預けられていたことを、スイスの金融機関がマネーロンダリングにあたかも加担したかのような報道がされたりもする。スイスはマネーロンダリングの温床というイメージがいまだに拭いきれないでいる。

7億フランを凍結

 MROSの発表によると、2005年の告発件数が729件と前年より11%減少した。同局が設立されて以来、増加の傾向にあった告発件数は2004年にはじめて4.9%減少し、2005年はさらに減少したことから、マネーロンダリング対策がやっと効果を挙げてきたサインであると報告された。

 2005年は、犯罪に関連していると見られる資金6億8000万フラン(約620億円)(前年は7億7900万フラン(約710億円))が、MROSにより凍結された。また、告発された729件のうち、犯罪とつながりがあると判断された504件は、検察に調査が引き継がれた。特に告発件数が減少したのは、お金を払う過程を利用したマネーロンダリングだと疑いを持たれた場合だった。

グレーゾーンは小額取り引きが占める

 お金の支払いは、顧客や取り引きの実態が把握しにくいため、マネーロンダリングが発生しやすい。今回も、告発総件数のおよそ半分、総額で85%を占めたのがこのケースだった。

 しかし、告発された取り引きの総金額の5分の4が、たった1人の容疑者で占められ、そのほかの事件もたった8人による取り引きだった。一方で、報告件数は200件以上を占めている。MROSはマネーロンダリング取締法が、発効当時よりより厳しい規制を敷いている現在でも、小額の取引についてはコントロールが甘いため、統計上の不合理が生じているのではないかと見ている。

銀行の取り引きは減少

 マネーロンダリングには銀行の取り引きだけではなく、保険や投資顧問会社など幅広い金融機関を通した取り引きなどが利用される。とはいえ銀行を通しての取引は、もっともマネーロンダリングに悪用されている。こうした銀行の取り引きによるマネーロンダリングの告発件数が2005年、はじめて減少した。告発件数は293件で、前年より47件、13.8%減った。半分以上がチューリヒで発生したものだった。

 また、テロ関連のマネーロンダリングと疑われるものは20件(前年11件)あった。金額は4600万フラン(約42億円)(前年90万フラン(約8000万円))と急増した。

swissinfo 佐藤夕美(さとうゆうみ)

キーワード

<2005年のマネーロンダリング実態>
お金を払う過程を利用したマネーロンダリング348件(前年391件)。
銀行を通した取り引きで発生したマネーロンダリング293件(前年246件)。
テロ関連20件(前年11件)。

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補足情報

MROSは連邦司法警察省の管轄で、マネーロンダリングを管理する。
金融機関にはマネーロンダリングの疑いがある取り引きをMROSに告発する義務がある。毎年の告発の内容はMROSが公表する。MROSにはマネーロンダリングの捜査の権限はない。
スイスではマネーロンダリングを1998年から取り締まる法律が発効し、2003年から連邦銀行委員会がマネーロンダリングを取り締まるための規制を定めた。

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