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スイス、南極観測で奮闘   気候変動の解明に一役

地球に存在する氷の9割は南極にある。その氷に気候変動の歴史が閉じ込められている。

(Keystone)

スイスが南極にかけた夢にまた一歩近づいた。

20年間に渡って極地研究を続けてきたスイスの科学者たちの強い要望を受け、国際学術団体の南極研究科学委員会(SCAR)は4日、スイスを準会員から会員へと格上げする方針を固めた。

こうした動きを受け、これまでの地道な研究活動が国際的に高く評価されたとスイスの科学者たちは歓ぶ。気候変動の観測など極地研究の重要性が高まる中、スイスは今後、南極の国際的な協力体制を維持する南極条約「協議国」の資格を狙うことになる。

スイスの奮闘

 各国の研究者が厳寒の南極に競って向かうのには理由がある。

 南極の厚い氷には、多くの気泡が含まれ、その中に雪が降った当時の空気がそのままの組成で保存されていることから、氷に刻まれた空気成分を解析することで、数十万年にわたる気候変動の謎が解明できるからだ。

 スイスのベルン大学は、この空気成分の解析技術が高いことで知られる。同大学の研究員が8年間に渡って実施した南極プロジェクトでは、氷床を深さ約3キロまで掘削。採取した氷柱から約74万年前の大気が確認された。
 
 ベルナルド・シュタウファー・ベルン大学元教授は「今日の気候と明日の気候を知るには、南極に再び足を運ばなければ」と話す。さらに深く掘削し、空気成分の解析を進める必要があるとの考えだ。

南極条約協議国

 一連の研究活動を背景に、南極で共同研究をまとめる国際団体SCARがスイスを正会員として迎えることを決めた。「感激の一歩だよ。将来的には、スイスの科学者が南極の国際的なプロジェクトを指揮することもできるんだから」と、SCARスイス代表のクリスティアン・シュレヒター氏は話す。

 スイスの南極にかける夢はまだ、終わらない。 

 SCARに関する国内委員会のスイス極地研究委員会(SCPR)の創設者ルチウス・カフリシュ氏は、南極地域で権威のある南極条約協議国の資格取得を目標に掲げる。 

 南極条約は南極地域で行われる活動の原則を示したもので、スイスは現在、南極条約の「締約国」。南極に基地を設けるなど、積極的に科学的調査活動を実施する「協議国」の資格はまだ得ていない。  


 スイス国際放送  アントワネット・シュワブ   安達聡子(あだちさとこ)意訳  

補足情報

南極条約とは:

南極地域での軍事的利用の禁止や、科学的調査の自由と国際協力の促進などの原則が示されている。

1959年に採択され、締約国は現在45カ国。

南極に領土権を主張する国と主張しない国で対立しているが、南極条約は双方の主張を認めている。

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