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ハチには関係ない GMO問題

花粉は国境を知らないハチが花から花へと運んでいく swissinfo.ch

11月27日の国民投票では、遺伝子組み換え作物(GMO)の栽培を今後5年間禁止することを要求したイニシアチブの是非が問われる。

このコンテンツは 2005/10/31 07:05

GMOの栽培が浸透しているカナダから養蜂家と有機農法アドバイザーが、環境保護団体のスイス・グリンピースに招かれ、カナダにおける問題点を語った。

「ハチは、GMOと従来の作物とが『共存する』ことによって起こる問題を、具体的に説明するによい例だ」と語るのは「反GMOキャンペーン」を主導するグリンピースのブルノ・ハインツァー氏。ハチは蜜を集めながら花粉を花から花へと運ぶ。ハチのおかげで植物は受精し種が実るが、いまはハチがGMOを広げることも避けられない。

ハチの習性が問題

GMOの耕作地と従来の作物の耕作地の間の距離が50�bあれば、相互間の交配はないので個別に栽培ができるという見地から作られた「GMOと非GMO共存条例」にハインツァー氏は懐疑的だ。ハチはそれ以上の範囲で飛び回るからである。

これまでは花から花へと飛び回るハチのおかげで、花粉が混合され「健康な交配」が行われてきた。しかし、GMOの花粉が従来の植物にハチによって運ばれると、有機栽培の農作物は段々となくなってしまうとハインツァー氏をはじめとするGMOの耕作に反対するグループは懸念する。

自然の摂理には民主主義は通じない

農家がいくら有機栽培のためにその規格を守ろうとしても徒労に終わる可能性もあると警鐘を鳴らすのは、養蜂を営むアニセット・デスロシャー氏と有機農法アドバイザーのアン・ヴァージン・シュミット氏。ふたりともカナダからスイス・グリンピースが招待した。

カナダではすでに「GMOの占める割合が徐々に増加していて、消費者はこうした現状に妥協しなければならない。カナダでは非GMOとして登録される農作物はもはやない」という。農家が一生懸命になって有機作物を作ろうとしても、GMOの花粉などのため検査により遺伝子が組みかえられた痕跡が検出されるためだ。

デスロシャー氏の蜂蜜はEUの規制に引っかかり、有機の蜂蜜としてEUには輸出できなくなった。有機飼料を与えることで有機精肉として販売する酪農家も、たとえば飼料になる穀物が遺伝子を組み換えらていたらどうだろう。こうしてGMOが広まっているカナダでの有機栽培の質は落ち、有機作物の値段の下落を招くとシュミット氏は説明する。

どこに妥協点を見出すのか

2004年から発効しているスイスのGMO法は、遺伝子工学の発展と消費者の安全、安心に対する保証のバランスを模索して作成されたものだ。政府は、イニシアチブが求めていることは現行のGMO規制以上の規制にはなっておらず、5年間のモラトリアムは不必要なものと反対する。

前出のハインツァー氏は「5年間のモラトリアムを設けることで、徐々に拡大するGMOにブレーキをかける。スイスにおいては、純粋な非GMOを確保することができる」というが、国境を知らないハチは、フランスやドイツの国境をまたいで蜜を求める現実をどう見るのか。

すべてがグローバル化する中で、両者を隔離するなど到底できないであろうという消費者の心配は払拭できない。今回の国民投票では、スイスの科学技術の発展の促進をとるのか、消費者の安全をとるのかが、1992年(人間における遺伝子工学について)や2000年(受精学の制度化問題)の国民投票などを経て再度、争点となっている。

swissinfo、アレクサンダー・クンツレ 佐藤夕美(さとうゆうみ)

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