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気軽に歩くスイス〜ガンドリアの小道

美しい自然に恵まれたスイス。登山やハイキングは、スイス旅行の醍醐味の一つです。とはいえ観光ついでにとはいきませんし、体力に自信のない方や街歩き派にはなかなか敷居の高いものです。今回は、スイスを歩く楽しみを少しだけ味わってみたいという方に、イタリア語圏ルガーノの街から気軽に行ける人気の散策コースをご紹介したいと思います。

このコンテンツは 2015/06/11 08:00
うっそうと緑が茂る遊歩道は地元の人の憩いの場でもあり、犬の散歩やジョギングを楽しむ人が行き交います swissinfo.ch

眩しい日差しがあふれる季節になりました。ここ南スイス、ルガーノの街は、早くもバカンスの雰囲気です。明るい太陽を求めて、スイス北部、ドイツ、オランダなど北ヨーロッパの方々がたくさんやって来ています。日光浴にショッピング、湖畔のバーでおしゃべり・・・みなさん思い思いに過ごしていますが、今日は少し緑の中を歩いてみたい、そんなときに人気なのが、ルガーノからほど近いガンドリアという小さな村を目指す散策コースです。ガンドリアの名前の由来はイタリア語の”急斜面の岩場”だとか、バスク語の”貼りつく”から来ているなど諸説ありますが、その名のとおり、湖から切り立つ岩場に貼りつくように家々が並ぶ独特の景観の村です。

ガンドリアの外観。家々がぴったりと肩を寄せ合いながら、水際まで並んでいます swissinfo.ch

ルガーノの街からガンドリアへ行くには、おもに3つのルートがあります。ルガーノ湖に沿ってすべて歩いて行く片道約5kmのコース。途中まではバスで行き、バス停から約2.5kmの遊歩道を歩くコース。そして歩くのは村の中だけにしたいという方に、遊覧船で村の桟橋に横づけするコース。気分や体力に合わせて気軽に行ける便利さも、ガンドリアのいいところです。私のおすすめは、行きはバスで、帰りは遊覧船で帰るコースです。坂道の多いルガーノを5kmも歩くのは結構大変なことですし、また、帰りはのんびりと湖上から村の外観を楽しみながら戻るのは、とても気持ちがいいからです。ガンドリア発の遊覧船はルガーノからは行きにくい対岸の村を回るので、お得でもあります。(バスや遊覧船の詳細は最後にまとめました)

せり出す岩場をぐるっと遊歩道で巡ります。ここは唯一、少し大変な上り坂です swissinfo.ch

街の中心からバスに揺られること約10分。車窓から見える緑は次第に濃くなり、散策への期待感が高まります。バスを降りて遊歩道へ向かう道すがら、”museo delle culture”という美術館があります。ここは1930年代に設計された小さいながら美しい庭園があり、庭を眺めながらガンドリア方向へ歩いていけるようになっています。開門している間は自由に入場できますので、ぜひ歩いてみてください。さらに進み”Sentiero di Gandria”という看板が見えてきたら、本格的な散策の始まりです。湖に沿って作られたつづら折りの小道は、少しアップダウンはあるものの、整備が行き届いて歩きやすくなっています。太陽に照らされるオリーブの木々、岩場を抜けるアーチ型のトンネル、輝くような木漏れ日。気候が温暖なこの地域の景色は、いわゆるスイスらしさとは異なりますが、晴れ晴れとした明るさに満ちています。

ガンドリアの村の中。村じゅうが光と影の美しいコントラストで満たされています swissinfo.ch

目的のガンドリアの村は、まっすぐ横切れば10分ほどで歩けてしまうほど小さいのですが、その中はまるで迷路のように入り組んでいます。ひしめく家々の隙間を縫うように、狭い路地や階段がはり巡らされ、上へ下へと移動しなくてはいけません。地元では村人のことを”Tor” ( トール)と呼ぶのですが、移動の苦労や疲労というニックネームからきているのだとか。それも納得のハードさです。しかし、ガンドリアの魅力はそこにこそあります。家と家で区切られた狭い空から落ちてくる光と、ほの暗い階段のコントラストはため息が出るほど美しく、ふいに現れる古いフレスコ画や、13世紀から建つという石造りの教会など、別世界に迷い込んだような錯覚を覚えます。特にこの5、6月のころは、石の壁をバラが美しく飾り、どこからともなくジャスミンの甘い香りが漂って、とてもロマンチックな雰囲気です。

現代からとり残されたように古く静かな路地。ガンドリアはスイスの美しい村10選に選ばれたこともあります swissinfo.ch

村を散策したら、湖畔のレストランでひと休みしてみませんか。気軽なところがほとんどですので、飲み物だけのオーダーでも大丈夫です。お店にあれば、spremuta d'arancia(スプレムータ・ダ・アランチャ)をお試しを。その場で搾ってくれるオレンジジュースで、イタリアのカフェの定番です。またちょっと甘いのですが、オレンジやレモン味の炭酸ジュースgazzoza(ガッゾーザ)はティチーノならではの飲み物。お酒ならばなんと言っても、ティチーノ産のメルローワインです。お昼時であれば、お食事も楽しいと思います。前菜にサラダ、もしくはチーズ、ハム類などの盛り合わせを。メインはパスタやニョッキ、リゾットもよいですが、ガンドリアは目の前の湖でとれた魚料理で知られた地域ですので、お魚料理もおすすめです。そして、食後にはエスプレッソをお忘れなく。

レストランのテラス席から眺めるイタリア領。山々とルガーノ湖の織り成す景色は格別です swissinfo.ch

帰りは村の船着き場からのんびり湖畔クルーズ。乗船券は乗り降り自由なので、途中で下船して新たな散策を楽しんでも。ガンドリアを背にして、右はスイス、左はイタリア領です。船は湖を大きく横切って対岸の村をゆっくりと巡り、ルガーノの街へと戻っていきます。

 

奥山久美子

 

<バス・遊覧船>(2015年6月時点)

・バス/TPL(Trasporti Pubblici Luganesi)2番Castagnola行き Lugano Centro乗車、S.Domenico下車

・遊覧船/Società Navigazione del Lago di Lugano ガンドリア周遊コース(Giri nel Golfo di Lugano )就航期間は4月〜10月。ガンドリアの船着き場で片道乗船チケットが購入できます。

*ルガーノ市街からガンドリアへ行く公共機関はいくつかありますが、記事で紹介した内容に沿っていて、かつ利用しやすいものを選びました。

<無料トイレ>

ガンドリア遊歩道と村内の2カ所にあります。

・遊歩道入り口から徒歩約5分

・村内San Villagio教会裏側

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プロフィール:奥山久美子

神奈川県生まれ、福岡県育ち。都内の大学を卒業後、料理や栄養学を扱う出版社に就職。雑誌、書籍の編集業務に携わる。夫の転職に伴い、2012年からイタリア語圏ティチーノ州に住む。日本人の夫、思春期の息子2人の4人家族(+日本から連れてきた猫1匹)。趣味は旅行、読書、美味しいものを見つけること。

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