青空の広がるグリンデルワルトでの除幕式
8月11日、ベルン州グリンデルワルトの村と近郊の峠クライネシャイデック ( Kleine Scheidegg ) で、アイガー初登頂を記念する2つの銘板の除幕式が執り行われた。
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アイガーの頂上に初めて人が立ったのは今からちょうど150年前。それは1人のアイルランド人と2人のスイス人だった。
流行の登山で自分を試す
ダブリンにほど近い町ブレイ ( Bray ) 出身のチャールズ・バリントンとグリンデルワルト出身の2人の山岳ガイド、クリスティアン・アルマーとペーター・ボーレンは、1858年8月11日に初めてアイガー初登攀 ( はん ) を成し遂げた。「ユングフラウ地域マーケティング ( Jungfrau Region Marketing AG ) 」によると、それまでこの山は登頂不可能と見なされていた。
アイルランド人のバリントンについてはあまり知られていない。当時24歳のバリントンは、イギリスで流行していた新しいスポーツ、登山で自分を試そうとしたと推測されている。登山中、彼は山岳ガイドのあとをついて登るだけではなく、ときには大胆にも先頭を切って頂上を目指したようだ。
この祝典はささやかなもので、チャールズ・バリントンの子孫とブレイ市議会議員、そしてグリンデルワルトの自治体および観光局の代表らが参列して執り行われた。
swissinfo、外電
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孤高のアイガーに挑むドラマ
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ユングフラウとメンヒは4千メートルを越える。アイガーは、3970メートル。ベルナーオーバーラントの3大峰の中で最も低いアイガーが突出して小説や映画のテーマになるのはなぜか ? 北壁の難度が高く、悲劇が数多く生まれ、それが歴代の登山家の挑戦意欲をそそり、さらに多くの物語が生まれたことが一つの理由だろう。
今年のグリンデルワルトはアイガー一色だ。1828年のアイガーの洞穴の発見後、ちょうど30年たっての1858年の初登攀 ( とうはん ) から150周年、北壁初登攀の1938年から70周年と記念すべき年が重なり、5月30日には第1回アイガー賞も授与された。
ヒットラーの思い入れ
アイルランド人チャールズ・バリントンが1858年8月11日に初登攀して以来、1921年9月に日本の登山界の先駆者である槙有恒 ( まき ゆうこう ) 氏が東山稜を初登攀するといった快挙記録はあるものの、1930年代半ばまでアイガー史に記録された登山は少ない。しかしその陰には、多くの登山家の死に至る悲劇があった。
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