トリノ冬季オリンピックに向けて 燃えるかスイス
2006年の2月10日から26日までトリノで開催される冬季オリンピックに向けて過去最大のスイス代表団はイタリアに大きな期待をかけて出発する。
スイスオリンピック協会は130名のスポーツ選手を送り出し、8個のメダル獲得を期待している。前回、スイスチームは11個持ち帰った。
4年前のソルトレーク冬季オリンピックはスイスチームのハイライトだった。スキーではジャンプ、アルペン、クロスカントリーにスノーボード、カーリング、ボブスレーにスケルトンでメダルを持ち帰った。二冠王でスキージャンプのチャンピオン、シモン・アマンのように多くのスイス選手は快挙を残し、全部で金を3個、銀を2個、銅6個を勝ち取ったのだった。さて、今年の見通しはどうだろう。
期待の種目
現在のところ、メダルのチャンスがあるのは幾つかの種目だけだ。
スノーボードは今のところ大変好調で、男子も女子も優勢だ。同じく好調な種目はスキージャンプ、ボブスレー、カーリング、スケルトン、スキーにフィギュア・スケートだ。フィギュアスケートでは全ての目がチャンピオンのタイトルを持つ、神童のステファン・ランビエルに向いている。
スキージャンプでの4年前のシモン・アマンの快挙以来、期待は今期、大変成績の良い新鋭アンドレアス・キュッテルに向いている。また、ソルトレーク五輪のチャンピオンだったフィリップ・ショッホが強いスノーボードチームを率いていおり、各選手がメダル候補でもある。
目指すはメダル8個
今年、イタリアのトリノ冬季オリンピックでスイスオリンピック協会が目標に掲げたのはメダル8個。スイス代表団の団長、ヴェルナー・アウグスブルガー氏によると、この数字は過去2年間の選手の結果を元に出した現実的な数字だ。
同氏は「これだけのハイレベルでのスポーツで、メダルを獲得するには同じ種目で3人ほどのしっかりした選手が必要です。オリンピックではプレッシャーが高いですから、選手のおかれる環境は大変難しいものです」と語る。
スキー
アルペンスキーでは男子ではアンブロジ・ホフマンが今後の期待の星といえるし、女子では若いフレンツィ・アウフデンブラッテンが注目されている。アウフデンブラッテンはここ数週間で目覚しい進歩をした。
クロスカントリーではロレンス・ロシャが率いるチームがソルトレークのように4×5キロのリレーで銅メダル獲得を再び取るかはまだ定かではない。
しかし、ボブスレーでは偉業がなされるかもしれない。4年前に男子2人乗りでブロンズを獲得したペアー、マルティン・アネンとベアト・へフティに2人組み、4人組の競技で期待できるだろう。
最後にカーリングでは女子はミリアム・オット、男子はラルフ・シュテックリが論理的にはメダルを最低1個は持ち帰る筈だ。スイスで生まれた競技、うつ伏せになってソリに乗るスケルトンではマツァ・ペーデルセン・ビーリとグレゴール・シュテーリに期待がかけられるというところだ。
swissinfo、マチアス・フォアドヴォー 屋山明乃(ややまあけの)意訳
– 2002年のソルトレーク冬季五輪ではスイスはメダル11個を持ち帰った(金メダル3個、銀メダル2個、銅メダル6個)。
– 1988年のカルガリー冬季五輪ではメダル15個だったが、1998年の長野冬季五輪では7個、1994年のリルハマーでは9個、1992年のアルベルヴィル冬季五輪では3個だけだった。
– 今回、オリンピック代表チームでトリノに行く選手は130名(長野に行ったのは74名)。過去最高の人数なのはアイスホッケーで2チームが参加するからだ。
– スイス代表団のオリンピック予算は200万フラン(約1億8000万円)
JTI基準に準拠
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。