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大統領の「失言」

メルゲレかメンゲレか?それが問題。クシュパン大統領の失言釈明会見後も波紋は広がるばかり Keystone

各党の議員で構成される人間科学促進委員会の場でパスカル・クシュパン大統領兼内務大臣が、下院のクリストフ・メルゲレ議員を「メンゲレ」と称したことが2月6日に発覚した。

メンゲレといえば、ヒトラーの下で人体実験を行った医師。戦後罪を逃れるためアルゼンチンに亡命したことでも有名だ。この「失言」に対し大統領の釈明が7日あった。

失言の多い大統領

 クシュパン大統領はメルゲレ ( Mörgele ) をメンゲレ (Mengele ) と間違って言ったことが大きな波紋を呼んでしまい、驚いていると語った。2月7日の記者会見で「失言」に至った経緯を説明。人間科学の分野については人の尊厳が決して損なわれないよう厳格な法律を作らなければならないと強調した発言の場で、メンゲレと言うところをメルゲレと間違って言ったという。
「国民を代表する議員を大量殺人者と比較するといった考えはまったくない」
 と政治的には対立しているメルゲレ議員を攻撃する意志はなかったと釈明した。委員会でも失言後、すぐ間違いと分かり議員から笑いが漏れたとも語った。メルゲレ議員は委員会には出席していない。

 メルゲレ議員は7日のドイツ語ラジオ放送で、大統領の釈明を受け入れられないと語った。一方大統領は、早々にメルゲレ議員から質問されていれば説明もしていたと反論。国民党から出ている大統領謝罪要求については、誰も攻撃する意志はなかったことを理由に応じないと明言した。

 これまでも「失言」の多いクシュパン大統領。委員会に出席していた議員の意見は、失言か意思的なものだったかのか2つに分かれている。議事録は基本的に公開されることはない。

swissinfo、外電

2003年12月10日、フランス語テレビの撮影中、新しく選出されたクリストフ・ブロッハー氏とハンス・ルドルフ・メルツ氏を指し「奴らはどこにいるんだ」とぞんざいな言葉使いをした。

2007年9月7日、総選挙の前に急進民主党のクシュパン内務相は国民党を激しく批判し、ブロハー司法相を陥れる計画があるという論理を指し「逆の意味のプロパガンダだ」と不用意な発言した。

「国家が豊かになるためには、ドゥーチェ ( ムッソリーニ ) のような人などいらない。不健康極まりない」とティチーノ州のラジオで発言。

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