スイスの自殺防止策

スイスの首都ベルンで、橋に供えられたロウソクと花に足を止める女性。ここで自ら命を絶った人に思いを馳せる Alessandro della Valle / Keystone

スイスではさまざまな自殺防止策が取られているが、それぞれが十分に連携しているとは言いがたい。連邦政府は10日の世界自殺予防デーにあわせ、改善策を打ち出した。

Marie Vuilleumier

連邦政府は世界自殺予防デーの10日、自殺予防のポータルサイトを立ち上げた。自助団体、アドバイスや資料の検索が簡単にできる。スイス全土のさまざまな公共機関や専門家をワンストップで探せるようにした。

政府はこのサイトを、自殺予防の分野で活動する人々が協力し、支援の網の目をなくすのに役立てたいと発表した。

連邦内務省保健局によると、スイスでは1日2~3件の自殺がある。特に多いのは75歳以上の男性で、身体的な負担を主な自殺原因にしている。「自殺する人の大半は本当に死にたいわけではない。自殺への衝動は一時的なもので、誰にでも生じうる」

連邦政府はサイトを通じて各自殺防止団体を支援し、政府の掲げる自殺撲滅計画の達成に繋げたい考えだ。政府が2016年にまとめた同計画には、簡単ですぐにたどり着ける支援策を提供し、国民の関心や国内外の好事例を広めることなどを盛り込んだ。

計画は、国民10万人当たりの自殺者数(自殺ほう助を除く)を2030年までに4分の1減らすことだ。人口増を計算に入れると、年間約300件減らす必要がある。

自殺予防団体は政府の取り組みに好意的だ。農家支援団体・プロメテールのベアトリス・マンソー氏は「新しい試みはどんなものでもありがたい。それをきっかけに支援を効率化したり自殺予防について議論したりできるからだ」と述べた。同団体は農家の経済状況の向上を目指す「ヴォー州の哨兵プロジェクト」に取り組んでいる。統計によると、農家は特に自殺しやすい傾向があるためだ。マンソー氏は「包括的な協力体制を組むことは、知見を交換するのに役に立つ。だが大事なのは、何よりもまず現場で、地域レベルで支援することだ」と話す。

無料電話相談を手がける「差し伸べられた手」も情報交換の場ができたことを好感する。フランコ・バウムガルトナー事務局長は「だがプラットフォームという形式はこれまでのところ成果が出ていない。試みが機能するよう、改善が必要だ」と語った。
バウムガルトナー氏もスイスの自殺予防団体には連携が足りないことを指摘する。「連邦は団体同士の協力関係を強めることを約束した。だが目標を達成するための資金が足りない」

2018年の世界自殺予防デーのキャッチコピーは「自殺をなくすためにみんなで協力を」。

国際自殺予防学会はこの日、周りの人と対話し、耳を傾け、場合によっては相手が抱えている悩みを見つける時間を取るよう呼びかけている。

また同日午後8時にロウソクを窓辺に飾り、自殺防止への決意を示す呼びかけもある。

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