アレッチ氷河の森でリラックス 森林浴ヨガ

雄大なアルプスの中でヨガを楽しむ参加者 Aletsch Arena提供

森の空気を浴びてリフレッシュする森林浴が、欧州で注目を浴びている。スイス南部ヴァレー州にある世界遺産アレッチ氷河地域ではこの夏、森林浴とヨガを楽しむイベントが開かれた。チューリヒ在住のヨガ講師で森林セラピーガイドの長津メラー明子さん(43歳)が案内し、参加者らは1千年の歴史を誇るアレッチ森林を散策した後、壮大なアルプスの中でヨガを楽しんだ。

このコンテンツは 2017/09/11 09:00

アレッチ森林は氷河のそばに広がる古いマツなどの森林で、国の保護指定林。地元の観光振興会社アレッチ・アリーナが、この森と氷河の美しい景観を生かして観光客を呼び込もうと今夏初めて森林浴イベントを企画。その一環で森林浴ヨガの教室を開いた。7月20日と8月25日の2回行われ、地元のスイス人ら男女計約20人が参加した。

参加者らは朝9時ごろ、アレッチ氷河観光の起点となるロープウェーのリーダーアルプ・ミッテ駅(標高1905メートル)を出発。そこからリーダーフルカと呼ばれる地点を通ってアレッチ森林に入った。歩く道すがら、立ち止まってゆっくりヨガの呼吸をしたり、長津さんから森林浴の歴史や体への効果についてドイツ語で説明を受けたりしながら、1時間ほどかけてヨガの開催場所に向かった。

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森を抜け、アレッチ氷河を一望できる場所に着くと、待ちに待ったヨガの時間。ゆったりした呼吸で新鮮な空気を目いっぱい体の中に取り込み、リラックス効果の高いポーズを一つ一つゆっくりと行った。森林にちなみ、片足立ちで両腕を空に向かって伸ばす「木のポーズ」なども取り入れた。

参加者はスイス人のほか、スイス在住40年の日本人夫婦、広告を見てオランダから休暇を利用して来た男性もいた。「とても気持ちが良かった」と好評だったという。

森林浴の素晴らしさを伝えたい

長津メラー明子さん 本人提供

長津さんは静岡県浜松市出身。地元のメーカー勤務などを経て、留学先のマルタで知り合ったスイス人男性と2006年に結婚。同年、チューリヒに移住し、2年後に長男の幸一郎くんを出産した。以前から続けていたヨガの経験を生かし、16年にヨガ講師の資格を取得。普段はチューリヒのフィットネスジムなどでヨガを教えている。

森林浴に目覚めたのは、幸一郎くんが3歳半から4歳半までの1年間、チューリヒの「森の幼稚園」に通ったことがきっかけ。森の幼稚園は、子どもたちが丸一日、森の中で遊んだり、ご飯を食べたりして過ごす。毎日泥んこになって嬉しそうに帰ってくる幸一郎くんの送り迎えで森に通ううち、心身ともにとても癒されたという。

「田舎育ちだったこともあって、もっと多くの人に自然の素晴らしさや森林浴の効果を伝えたいと思った」という長津さん。今年7月、通信教育で日本のNPO法人「森林セラピーソサエティ」が発行している森林セラピーガイドの資格を取得した。

 「Shinrin-yoku」

  森林浴は、森の中に入って新鮮な空気を浴びる健康法で、樹木が出すフィトンチッドという物質が疲労回復に効果があるとされる。日本の森林浴の歴史は古く、1982年に当時の林野庁長官の秋山智英氏が提唱したのを機に広まった。代表的なのが「森林浴発祥の地」として知られる長野県の赤沢自然休養林だ。

その森林浴が欧州でも最近注目されるようになった。スイス国内では新聞や雑誌が森林浴を特集し、日本の「Shinrin-yoku」を先駆け的な事例として紹介している。

長津さんは「自然の中に身をおくことでありのままの自分を見つめ、受け入れることができる。リラックス効果は抜群で、森林浴とヨガでさらにプラスの相乗効果が生まれる」とメリットを語る。

来年もアレッチ氷河での森林浴ヨガ教室が開かれる予定。長津さんは「アレッチ氷河はもちろん、チューリヒでも森林浴ヨガの教室を開きたい。機会があれば、ほかの土地でも森林浴の良さを伝えていきたい」と話している。

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