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反物質粒子で宇宙の起源を探究

ジュネーブのヨーロッパ原子力研究機関(CERN)で、反物質粒子を用いて宇宙の起源とビッグバンを解明しようという研究が進められている。(写真:物理学上の難問の一つ、なぜ通常粒子は反物質粒子より優位なのか。CERN提供)

このコンテンツは 2000/08/11 11:30

ジュネーブのヨーロッパ原子力研究機関(CERN)で、反物質粒子を用いて宇宙の起源とビッグバンを解明しようという研究が進められている。(写真:物理学上の難問の一つ、なぜ通常粒子は反物質粒子より優位なのか。CERN提供)

CERNの研究グループは、反水素粒子の研究を可能にする「反陽子減速装置」を開発した。研究対象の反原子を拘束可能な運動速度まで減速させる事が、初めて可能になった。

反物質は、現在のところ、核物質の鏡像と理解されている。宇宙の個々の亜原子粒子は反物質と同等物を持っているが、電気または磁気の符号が逆転していると考えられている。通常粒子が反物質同等物と出会った時、凄まじいエネルギーの放出の中、双方が消滅すると、理論上ではなっている。

科学者等は長年なぜ通常粒子が存在するのかを探究してきた。理論では、ビッグバンが同量の通常粒子と反物質粒子を創造し、相互に消滅し合ったと考えられている。

CERNのスポークスマン、ネイル・カルダー氏は、このパラドックスの解明が現代物理学の中心的課題だと言う。「通常粒子と反物質粒子の反応は、物理学の原理上、宇宙の完全な破壊を導く。通常粒子と反物質粒子がぶつかり合った時の力が双方を破壊するからだ。」

通常粒子と反物質粒子の存在は、1927年英国の数学者で理論物理学者のポール・ディラクが、量子力学と特殊相対性理論の双方に従う方程式を公式化した際、脚光を浴びた。ディラクは、原子中の個々の負の電気を帯びた電子に理論を進め、正の電気の反電子、陽電子の存在を提唱した。

1930年代初めには、米国の科学者カール・アンダーソンが、正と負の亜原子粒子がCloud Chamberと呼ばれる装置の中で逆方向に回転しているのを研究中に、反物質の証拠を発見したと発表した。

反陽子減速装置は、通常物質を反物質から分離する事に成功、相互に消滅し合うのを阻止できる。気ままな動きをする反粒子を真空に捉え、冷却し、研究できるよう不活発にする。それから反電子を反粒子に加えると、反水素原子を産出する。実験に用いる元素は何でもよかったのだが、最も単純で宇宙に最も多く存在する水素が選ばれた。

欧州20ヶ国、米国、その他から資金援助を受けた2、500万スイスフラン(1、500万ドル)のプロジェクトは、70年来の科学の謎の究明を果たしてくれるだろうか。

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