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将来のインターネット管理に進展

米国はインターネットのコントロールを手放すことを拒否している

(Keystone)

11月チュニジアで開催予定の第2回世界情報サミットの焦点となるインターネット管理問題を話し合う国連の作業部会(WGIG)で4つの案が出された。

同作業部会(WGIG)に参加したスイス代表のマーカス・クマー氏は「進展が見られた」という。

 クマー氏はインターネットが今後どのように管理されるべきかという中心的な問題についてはコンセンサスが得られなかったことを認めた。しかし、「一国が統治すべきでない」という点では一致したという。

 現在、世界のインターネットは米国のカリフォルニア州の非営利団体ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)がドメイン名、IPアドレス、プロトコル番号などインターネットの「心臓」といえる部分を管理している。ICANNは米商務省の管轄下にあるが、米政府は6月末にインターネットの支配権を他のいかなる組織にも譲渡しないと発表したばかりだ。

 WGIGはこの戦略的に最も重要な管理問題に関して4つの案を併記した。1)現行のICANNの政府諮問委員会(GAC)の役割を強化する。2)公的政策問題を担う新たな機関を新設し、ICANNと連結する。3)国連とリンクしたGACに代わる組織を新設。これが、国際的な協定、条約などに携わる4)インターネットの管理政策、監督、国際調整に当たる3つの組織を新設。ICANNを改革して国連と関連した国際的なものにする。

背景

 今回の話し合いはチュニジアで11月に行われる世界情報サミットで各国首脳が出す結論の叩き台となる。ジュネーブで行われた第1回のサミットではインターネット管理問題でつまずいたため、この問題は先送りになっていた。現在、ICANNが行っている民間主導を支持する米国、日本などの先進国と国連や国際電気通信連合(ITU)などの国際組織の主導を求める途上国との間で亀裂が生じたからだ。

swissinfo: 1年前、クマーさんは「WGIGから根本的な案が出ると期待するのは楽観的過ぎる」とおっしゃいました。今回出された4つの提案に満足していますか?

クマー氏:まず、第一に全てのメンバーから支持される報告を出せたことに満足しています。当初から、この問題に関する各国の見解に余りにも隔たりがあるので、将来のインターネット構造となる提案が一つだけになるということは非現実的であると考えていました。

swissinfo: 提案を一つに絞るのに何が障害となったのでしょう?

クマー氏:作業グループでは違った生き方、職業、地域から来た40人で構成されています。ですから、インターネット・コミュニティーやビジネス界の様々な意見が反映されました。一つのモデルにならなかったのは自然な結果といえます。

それでも、報告の大部分はコンセンサスを反映しています。私たちは広範な問題の中でインターネットの悪用に関連したサイバー犯罪、スパム、プライバシー、消費者保護や表現の自由などといった案件が国際社会の優先順位になると確認しました。また、各国政府や市民社会などの参加者がインターネットについて話し合う場が欠けていることも認識しました。

swissinfo: 今回、WGIGから発表された報告はインターネット管理を「グローバルなアプローチで」と唱っています。これは、米国やICANNに対する攻撃とも受け取られますが。

クマー氏:どの提案を見てもICANNを完全に取って代わるという案はありません。ICANNを制度としてどう確立するか、ICANNにどのような法的基盤を与えるか、ICANNと各国の関係をどうするかといったものです。

今回の作業部会(WGIG)は第1回サミットの結果をもとに話し合いが進められています。ここでの結論は「インターネット管理は多国的、透明で民主的であるべきだ」という点で同意したわけです。ですから、WGIGは管理協定のさらなる国際化をという方向で動いています。

swissinfo: チュニス・サミットで4つの提案の1つに決まるという望みはありますか?

クマー氏:それは難しい質問です。これらの案はスタート地点として見て貰わなければなりません。この選択の一つが結論にならなければいけないというものではありません。もちろん、提案作りに参加した者として、今回のどの案が採用されなかったとしても、チュニジア・サミットを成功させる交渉のベースとなれば嬉しいと思っています。


swissinfo アダム・ボーモン、 屋山明乃(ややまあけの)意訳

キーワード

国連の作業部会(WGIG)で話し合われたインターネット管理のあり方は11月チュニジアで行われる第2回世界情報サミットで結論が出される。

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補足情報

- 世界情報社会サミットは今後の情報社会をどうデザインしていくかを国際社会が考えるサミットで、途上国と先進国の間に存在するデジタルデバイド(情報格差)をどう縮めるかやインターネットの管理問題などを話し合う。

- 第1回の世界情報サミットはジュネーブで2003年12月に行われたが、第2回はチュニジアのチュニスで今年の11月16日から18日に開催予定。9月にジュネーブで第3回準備会議が行われる。

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