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日本のウドも問題 外来植物の脅威

オオハナウドは肌に触れるとただれる。花の部分を切り取り、増殖を避ける。 Stefan Hartmann

コロンブスのアメリカ大陸上陸以来500年間のうちにスイスに侵入してきた外来植物は千種類に上る。その中のいくつかが、スイスにもともと生息している植物を絶滅に追いやったり、人に対してはアレルギーの原因になったりしている。

このコンテンツは 2003/10/07 16:37

スイスでは外来植物のブラックリストがこのほど作られ、管理を強化する動きが見られる。ブラックリストには、日本産のタデも載っている。

ハンス・シュトッパー氏は元教師。早朝から、チューリヒ州のウスター市に生えているオオハナウド刈りに出かける。空き地にはオオハナウドが立派に大きく成長していた。太陽が照り始めて気温が上昇しても、シュトッパー氏は長袖の作業着に長靴と手袋、さらに目を保護するためにゴーグルまで付けるという出立ち。剪定バサミで切り倒し、プラスチックのごみ袋に入れた。これでひとまず、繁殖は取り留められる。オオハナウド(ラテン名 ヘラクェウム・マンゲガチアヌム)はカフカス山脈から200年程前に欧州の植物園にもたらされた。以後、民家の庭先でも見られるようになった。
「オオハナウドはスイスにもともとある国内植物の生息範囲を侵し、絶滅にさえ追いやる」
シュトッパーさんは国内に生息する植物の種類が少なくなること以外に、人の健康にも影響を与えると指摘した。

アレルギーやただれの原因

葉や植物のエキスに触れると肌がただれ、しかも治りにくい。ジュネーブ州やティチーノ州では、アンブロシア(ラテン名 アンブロシア・アルテミシイフォリア)と呼ばれる外来植物が暴れている。道端や耕地、ごみ捨て場にひっそりと生息しているが、アレルギー源を発散し、近づくと軽い喘息になる人もいる。仏リヨンでは10万人がアンブロシアのアレルギーに悩まされているという統計があり、ジュネーブ州では即刻「アンブロシア」対策グループが結成された。

ブラックリストに日本産のタデ

1万2千種の外来植物は、コロンブスのアメリカ大陸上陸以後、ヨーロッパに侵入してきた。そのうちヨーロッパに繁殖したのは3%といわれる。

ひそかに生息範囲を広めた植物の1千種のうち1種の割合で「暴れ者」がおり、他の植物を侵したりアレルギー源を発散したりする。

連邦の野生植物保護委員会はこのほど、植物界へ悪い影響を与えたと見られる10件をリストアップし公表した。カナダ産のアキノキリンソウ、ツリフネソウ、日本産のタデ(ラテン名 インパティエンス・グランヅリエフェラ)、オオハナウド、ニセアカシアなどが掲載されている。 ブラックリストに載っている日本産のウドは、種で繁殖する以外に根で繁殖する。小さな根が土中に残っているだけで芽が出るため、根絶は難しいと特に問題視されている。

外来植物との共存

「外来植物は新天地に生息して、天敵がほとんどいない」と植物学者のギュンター・ゲルプケ氏は外来植物の問題を指摘した。

スイスから追い出すことはほとんど難しいが
「外来植物の生態を把握することが大切。大規模での繁殖ができないよう定期的にコントロールすることに意味がある」
と植物の管理は可能だとゲルプケ氏は語った。

外来植物は植物界への悪い影響を与えるのみならず、耕地や森林、河川にも影響を与えるため、経済的負担も見逃せない。日本産のタデが繁殖しすぎると、河川敷の土砂崩れを起こしたり、小川の流れを変えたりもする。

統一した対策が必要

スイスには外来植物に対する組織だった取り組みが欠けている。連邦環境交通エネルギー省の環境・森林・耕作地局では、国内にある外来植物に関連する多数の組織をまとめ上げ、共通の対策を立てようとしている。中心となっているのは、環境保護団体。

ウスター市の環境保護団体は60カ所の「問題地域」を取り上げ、積極的に外来植物と戦っている。さらに、市当局には外来植物を絶滅させるために助言もしている。


スイス国際放送 シュテファン・ハルトマン (佐藤夕美 (さとうゆうみ)意訳)

キーワード

500年間で1万2千種の外来植物が欧州に到来
3%が繁殖
1千種1種が「暴れ者」

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補足情報

ブラックリストに載っている外来植物
カナダ産のアキノキリンソウ、ツリフネソウ、日本産のタデ(ラテン名 インパティエンス・グランドリエフェラ)、オオハナウド、ニセアカシアなど
絶滅は不可能で総合的な対策が必要

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