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木の世界

豪華に装飾が施されたオーク材の棚 swissinfo.ch

8月から11月までの「ヨーロッパ文化遺産デー」にちなみ、スイスでは木をテーマにしたイベントが9月上旬に開催された。この機会にスイスにある木の芸術に目を向けるのも一興だ。

このコンテンツは 2007/09/15 15:25

「国の文化遺産の保存問題に、スイス国民が目を向けて欲しい」とイベントを開催した「連邦文化遺産保存情報センター ( NIKE )」 のコルドゥラ・ケスラー氏はその主旨を語った。

スイス国内3州にわたり、それぞれの木製美術品を巡ってみた。

工芸美術の最高峰

まずはランズフート城 ( Schloss Landshut ) 。ベルン州ウツェンツトルフ ( Unzenstorf ) にある堀に囲まれたメルヒェンチックなこの城は、「自然保護と狩博物館 ( Schweizer Museum für Naturschutz und Jagd ) 」として現在利用されている。田園風なその屋敷内には家具が置かれ、17世紀の絵画が飾られている。中でも、豪華な木彫が施された棚と大広間は圧巻だ。ランズフート城は古い石造建築ではあるが、木が石の壁と同様に重要であったことを示す代表的な例である。工芸品として、同時に美術品として城の装飾品や調度品を観賞することができる。

美的観点からランズフート城にはやや劣るが、ソロトゥルン市 ( Solothurn ) の聖ウルゼン大聖堂 ( St. Ursen-Kathedrale ) の木材建築による屋根は、バロック時代に栄えた現地でもひときわ目立つ存在だ。大聖堂は1762~1773年に建てられた。スイス国内におけるネオクラシック様式の建築物として、重要な位置を占める。大聖堂の屋根の骨組みはザイルと滑車を使い、その先に設置された巨大な2つの木製車輪の助けにより、たった2日間で出来上がったという。「大聖堂の構造は手工業の典型。芸術的な装飾と同様に興味の対象になる」とソロトゥルン州文化遺産局の学芸員シュテファン・ブランク氏は説明する。

モダン建築にも木材

アーラウ市 ( Aarau ) にある木造建築物は、これまで紹介してきた2カ所の建築物とは趣を異にする。2002年に建てられた建築家ミラー&マランタによる「現代染色広場・市場ホール ( Färbenplatz-Markthalle ) 」も、今回のイベントでリストアップされ紹介された。13世紀に作られた市街の中にあるが、非常にモダンな建築物だ。壁の代わりに縦に並べられた300本の細い木材が、ホールの開放感と同時に閉鎖感を与えるデザインとなっている。外から光は入ってくるが、ある角度から見ると、壁全体が木板で覆われているようにも見える。まだ完成していない建物だが、すでに多くの賞を受賞した。

スイスは隣国と比較して、木材の利用が多いわけではないが、「森があれば人は木で家を建てる」とブランク氏。スイスの建築家やデザイナーは、昔からその可能性を有効に使っていると言えよう。

swissinfo、トマス・スティーブンス 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )

補足情報

スイス国土の3割にあたる4万4,285平方キロメートルが森林で覆われている。
スイスにある木の総容積は4億立方キロメートルで、その密度は1ヘクタールにつき361立方キロメートルとヨーロッパ最高の密度を誇る。
1000万立方キロメートルの木が毎年成長するが、これは毎年の使用量と同量だ。しかし実際は、スイス製の木材は450万立方キロメートルしか利用されず、残りは輸入木材で賄われている。

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