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父なるライン川 ~ヨーロッパで二番目に長い川~

滝中央の岩までいくボートは結構揺れてスリル満点。特に夏の暑い日には、水飛沫がたっぷりかかる“特別サービス”付き

滝中央の岩までいくボートは結構揺れてスリル満点。特に夏の暑い日には、水飛沫がたっぷりかかる“特別サービス”付き

(swissinfo.ch)

ヨーロッパで一番長い川は、どこだかご存じですか? 答えはドナウ川で全長2850km。そして二番目に長い川は、我が町エグリザウ(Eglisau)を南北に二分するように流れているライン川です。川を挟んで北側は旧市街、南側は新興住宅街になっています。残念ながら我が家から全く川は見えませんが、橋から眺める旧市街の景色はとても美しく、ハイキングガイドブックの表紙の写真にもなるほど。人口4700人程の小さな町にもかかわらず、週末には多くの多くの観光客、ハイカー、写真愛好家が訪れることでも有名です。

 ライン川は全長1320km。スイスアルプスのトーマ湖(Tomasee)に端を発し、リヒテンシュタイン、ドイツ、フランスを流れ、最後にオランダのロッテダム付近で北海に注ぐ大河です。非常に長いため源流から河口までが、5つの部分(①アルペンライン、②高ライン、③上ライン、④中ライン、⑤下ライン)に分けられていますが、エグリザウを流れているのは“高ライン”と呼ばれる部分です。高ラインは源流から近いため、比較的川幅が狭く水流が速い部分になります。

(swissinfo.ch)

 ちなみにドイツ語の名詞は、男性、女性、中性の3種類に分けられますが、ライン川(der Rhein)は男性名詞です。川の名前は圧倒的に女性名詞が多いのですが、ライン川は昔から「父なるライン川 (Vater Rhein)」と呼ばれ男性的なイメージが強く、古代ローマ時代からヨーロッパ各地を結ぶ重要な水路として貿易でも重要な役目を果たしてきました。

(swissinfo.ch)

 エグリザウから車で20分程走ったライン川沿いに、ノイハウゼン(Neuhausen) という小さな町があります。この町はヨーロッパで一番大きな滝“ラインの滝(Rheinfall)”があることで有名です。家から近いこともあって、日本から来客がある時にはいつもここへ案内するのですが、日本の典型的な高く狭い滝とは違い横幅が広いので(幅150m、高さ23m)、その壮大さに誰もが感動します。

(swissinfo.ch)

 滝の見学には雪解け水で水量が増える春夏がベスト(夏季水量60万リットル/秒)。ラウフェン城(Schloss Laufen)側の遊歩道からは、轟音をたてて流れ落ちる滝を、水しぶきがかかるほど間近に見られるスポットがあってオススメです。眼下に渦巻く水流を眺めているとその迫力に目眩がして、滝壺に吸い込まれそうな錯覚に陥ってしまうほどです。1866年からは豊富な水量を利用した水力発電も行われ、エネルギー源としても重要な役目を果たしています。

(swissinfo.ch)

 滝の中央部には大きな岩の島があって、観光船(10フラン)でふもとまで行くことができます。船着き場から岩の頂上まで急な階段を登って10分程ですが、斜度がかなりきついので、高度恐怖症や足腰の弱い人は要注意。頂上には3m四方ぐらいの小さな展望台があり、スイスの国旗がはためいています。ここからの眺めがまた格別!端から見るのとは全く違うアングルで周囲の景色や滝が楽しめます。時間に余裕があれば、是非観光船に乗ってみて下さい。

 また、毎年7月31日の夜にはスイスの建国記念日(8月1日)の前祝いとして、ラインの滝で花火大会が行われます。今年は友人夫妻と出掛けましたが、21時の開始時刻にもかかわらず、18時頃にはすでに場所取りの人達で溢れていて座るところを確保するのに苦労しました。花火はラインの滝の両岸と中央の岩の3ヶ所から打ち上げられるのですが、ライトアップされた幻想的な滝をバックにとても印象的です。国境が近いのでドイツからも毎年沢山の観光客が訪れます。

 その他ライン川の行事として、エグリザウで毎年6月下旬の週末に“ドラゴンボートレース”が行われます。ドラゴンボートは元来中国から伝わったもので、龍の頭と尻尾を舳先と船尾に装飾した長さ12m、幅1mぐらいの細長いボート。例年スイス各地から約60チームが参加して、カテゴリー別(上級、初級、女性部門)に速度を競い合います。チームは漕手が20人、舳先に太鼓を叩く音頭取りが1人、船尾に舵取りが1人の計22人で構成されます。エグリザウは20年程前から会場となっているので、普段静かなライン川もこの週末ばかりは大歓声や太鼓の音でとても賑やかです。

 春夏秋冬、様々な表情を見せるライン川は、町の人にとって無くてはならないものとして親しまれています。

森竹コットナウ由佳

プロフィール:森竹コットナウ由佳

2004年9月よりチューリヒ州に在住。静岡市出身の元高校英語教師。スイス人の夫と黒猫と共にエグリザウで暮らしている。チューリッヒの言語学校で日本語教師として働くかたわら、自宅を本拠に日本語学校(JPU Zürich) を運営し個人指導にあたる。趣味は旅行、ガーデニング、温泉、フィットネス。好物は赤ワインと柿の種せんべいで、スイスに来てからは家庭菜園で野菜作りに精をだしている。長所は明朗快活で前向きな点。短所はうっかりものでミスが多いこと。現在の夢は北欧をキャンピングカーで周遊することである。

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