The Swiss voice in the world since 1935

グミベアが躍る「ロボケーキ」大阪・関西万博スイス館で展示

パティシエ
大阪・関西万博のスイス館で展示されている「ロボケーキ」は、ロボット工学と料理学を融合した「食べられるロボット」だ Keystone-SDA

動くクマのグミ、チョコレート味の電池――大阪・関西万博のスイス館では、ロボット工学者とパティシエ、ホテリエが合作した「ロボケーキ」が展示されている。

おすすめの記事

「可食ロボット」「ロボット食品」は、多くの研究者が取り組んでいる本当に難しい挑戦だ――連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)は14日のプレスリリース外部リンクでこう強調した。

EPFLとイタリア技術研究所(IIT)は、パティシエやスイスの名門ホテル学校EHLの協力を得てロボット工学と料理学を融合し、「ロボケーキ」を開発した。欧州連合(EU)の助成を受けたロボ食品研究外部リンクの一環だ。

このウェディングケーキのてっぺんに載っている2体のクマ型のグミは、EPFLが開発した食べられるロボットだ。ゼラチンやシロップ、着色料でできており、ザクロのような味がする。内部の空気圧システムに空気を入れると、クマの頭や腕が動き出す。

食べられる電池

ロボケーキには、IITのマリオ・カイローニ氏らが開発した「食べられる電池」も使われている。

電池の原材料はビタミンB₂やケルセチン、活性炭、チョコレート。ケーキに載ったLEDロウソクを点灯する電力を作る電池だが、食べても安全だ。口に入れるとダークチョコレートの風味が広がった後、電池に含まれる電解質に起因するピリッとした食感に驚くだろう。

ロボット工学と栄養学の融合はさまざまな活用方法が期待されている。EPFLインテリジェント・システム研究所(LIS)のダリオ・フロレアーノ所長は、特に電気機器と食品の両面で廃棄物を減らす効果があると話す。

EPFLは非常食や医療分野にもこうした技術を応用するため研究を進めている。

独語からの翻訳:ムートゥ朋子

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

標準器

おすすめの記事

スイス、メートル法準拠から150年

このコンテンツが公開されたのは、 スイスは150年前にメートル条約に調印し、メートルやキログラムを導入した。それまでスイスの測定単位は地域や使途によって大きく異なっていた。

もっと読む スイス、メートル法準拠から150年
ハイヒール

おすすめの記事

中国の人身売買組織を摘発 スイス・ベルン州警察

このコンテンツが公開されたのは、 ベルン州警察は19日、大規模な人身取引事件を摘発したとい発表した。容疑者は中国籍の5人で、146人の中国人女性をスイスに誘い出し、性労働に就かせていた。

もっと読む 中国の人身売買組織を摘発 スイス・ベルン州警察
アイベックス

おすすめの記事

まるで曲芸師 ダムの絶壁を歩くアイベックスたち

このコンテンツが公開されたのは、 スイス南部ヴァレー州エヴィオナにあるダムでは今月中旬、約60頭のアイベックスが高さ50メートルの絶壁を伝い歩く姿が観察された。毎年この時期に天然塩を探し求める姿は、スリル満点の曲芸さながらだ。

もっと読む まるで曲芸師 ダムの絶壁を歩くアイベックスたち
長距離ミサイル

おすすめの記事

スイス軍、長距離ミサイルの購入を検討

このコンテンツが公開されたのは、 スイス軍が長距離巡航ミサイルの購入を検討している。国境防衛を強化し反撃能力を保有することで潜在的な敵対勢力の攻撃を未然に防ぐ狙いだ。

もっと読む スイス軍、長距離ミサイルの購入を検討
庭園

おすすめの記事

ルツェルンのラフマニノフ別邸の庭園が一般公開に

このコンテンツが公開されたのは、 スイス・ルツェルン州はロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフの別荘「ヴィラ・セナール」の庭園を15日から一般公開する。ルツェルン湖畔ヘルテンシュタインにあるこの邸宅に、ラフマニノフが1932~39年暮らしていた。

もっと読む ルツェルンのラフマニノフ別邸の庭園が一般公開に
米中協議を終え、記者会見に臨むグリア氏(左)とベッセント氏

おすすめの記事

関税協議「スイス最前列に」、米財務長官

このコンテンツが公開されたのは、 ジュネーブで行われた貿易問題を巡る米中閣僚級協議の成功を受け、ベセント米財務長官は12日、「スイスは貿易協定締結の最前列に躍り出た」と語った。

もっと読む 関税協議「スイス最前列に」、米財務長官
スマートフォンの画面とそれを操作する手

おすすめの記事

スイス・ニトヴァルデン準州の小学校、スマホ禁止へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス中部ニトヴァルデン準州は5日、スマートフォンをはじめとするIT機器の小学校での使用禁止を発表した。授業目的や緊急時などを除き、全面的に学校でスマホが使えなくなる。

もっと読む スイス・ニトヴァルデン準州の小学校、スマホ禁止へ
バーゼルの路面電車

おすすめの記事

バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ

このコンテンツが公開されたのは、 5月11~17日の欧州国別対抗の音楽祭「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト(ESC)」開催中、バーゼルでは「カラオケ・トラム(路面電車)」が運行する。ビンテージ車両で90分間かけて街を走る間、乗客は無料で歌い踊ることができる。

もっと読む バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部