スイス、世界最大ソーラー発電付きサッカー競技場を建設中

自然のエネルギーでサッカー観戦ができるよう、スイスの首都ベルンで世界最大のソーラー発電装置を備えたサッカー国立競技場が建設中だ。
屋根にソーラーパネルを設置して太陽の光を採り入れ、電力に替えるのが仕組み。完成すれば、約1万2,000平方メートルのソーラーパネルで最大1,300キロワットの発電ができる。
巨大なソーラー発電装置が設置されるのは、現在ベルン市内に建設中のバンクドルフ国立競技場。この発電でサッカー競技場だけでなく、敷地内のレストランやお店などで使う電力を賄う予定だ。
環境負担の低減へ
同競技場の歩道や観客席の屋根を覆うソーラー発電装置に掛かる工事費は1,000万フラン(約1億8,600万円)の見通し。今回のプロジェクトを企画立案したBKW FMBエネルギー社(本社ベルン)は、「自然のエネルギーを実感できる最高のモデルだ」と意気込む。
来年7月31日の開会式に向け現在、建設工事が急ピッチで進む同競技場。敷地内には競技場だけでなくオフィスビルやアパート、学校も設置される予定だ。賃貸用オフィスビルの約8割はすでに契約済みで、競技場の他に、敷地内のレストランやオフィスビルも加えると、一日最高1万5,000人は集まるだろうと試算されている。
自然エネルギーの導入が進めば、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を低減できる。そのため欧州諸国の一部では、こうしたソーラー発電システムが設置される場合、助成金を出すなどして自然エネルギーの普及に努めている。
BKW FMBエネルギー社の広報室セバスチャン・フォグラー氏は、「この競技場は時代を先取りしたプロジェクト。これを機に一般家庭でもソーラー発電の使用が広まることを期待している」と話している。
スイス国際放送 ピエール・フランソワ・ベッソン 安達聡子(あだちさとこ)意訳
建設中のバンクドルフ国立競技場では、2008年のスイスとオーストリア共催による欧州サッカーの試合も行われる予定。

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