スイス 高齢化深刻
連邦統計局がこのほど発表したところによると、2050年には4人に1人が64歳以上になるという。
これまで見込まれていたよりスイスの高齢化は深刻。2050年になると、死亡する人の方が生まれてくる人より多くなり、人口は減少するという。
連邦統計局の発表によるとスイスの人口は、2036年までに2005年年初現在の740万人から820万人まで増加するが、その後は減少し、2050年には810万人になるという。しかも高齢者の人口は倍増し、若者は減少する。
20歳以下は15%減少
移民が多く流入し、出生率が大幅に上がるという楽観的な予想をすれば、2050年の人口は970万人まで増加する。しかし、2020年から移民の流入がまったく途絶え、出生率も伸び悩むような状態だと2050年の人口は650万人まで減少すると見られる。悲観的な予想と楽観的な予想の中間を取ったとしても若者が減少し、2050年には20歳以下の人が現在の160万人から140万人と15%減少する。
労働人口の減少
20歳から64歳までの人は4%減少し460万人から440万人となる。労働者人口は現在420万人いるが、2018年までに450万人まで増加するものの、2050年になれば410万人まで減少すると見込まれる。女性が職場に進出しても、労働人口の減少は否めないという。
一方で、退職年齢の64歳以上の人が60〜124%も増加するという。実数で見ると2005年現在で120万人の高齢者が最高に見込んで260万人に増えるということになる。予想に大きな幅があるのは、楽観的な予想と悲観的な予想に大きな差があるため。いずれにせよ、労働人口は2人に1人という事態になり、スイスの高齢化は深刻な問題である。
swissinfo、外電 佐藤夕美(さとう ゆうみ)
<スイス 2005年の人口構成>
総人口 740万人
20歳以下 160万人
64歳以上 120万人
労働人口 420万人
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