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米国、北朝鮮と取引をしているスイス企業の資産凍結を発表

核兵器保有の懸念高まる北朝鮮

(Keystone)

米国財務省は、スイスに拠点を置くコハス(Kohas AG)が北朝鮮の大量破壊兵器ビジネスに関係したとして名指しで非難し、在米資産を凍結、米国企業との取引も全面的に禁止すると発表した。

しかし、同社のヤコブ・シュタイガー社長はスイスインフォの取材に「我々は違法行為など行っていません。米国企業との取引もしていませんし、在米資産もありません」と答えている。

 米国政府は去年、北朝鮮のコリア・リョンボン公社が大量破壊兵器拡散に関係したとして同公社の在米資産を凍結したが、今回、米国財務省は、スイス企業コハスはリョンボン公社のダミーだと主張している。

我々は米国に資産など持っていません

 コハスはスイス企業といっても、株式のほとんど半分はリョンボン公社が保有している合弁企業だ。もう半分の株式はスイス人社長、ヤコブ・シュタイガー氏が保有している。

 スイス連邦政府経済省経済管轄局(seco)のオトマー・ヴィース氏は、世界を駆け巡った今回の事件について困惑を隠せない。「スイス政府は10年以上前からコハスの動きに気をつけています。しかし、今回の件についてスイス当局は米国から知らせを受けていますが、コハスがスイスの輸出法に違反したという証拠はなく、調査に着手する予定もありません」

 スイスインフォはシュタイガー氏本人にも取材することができた。「米国政府の主張はまったく根拠がありません。大体、我々は米国企業との取引なんてありませんし、米国に資産も持っていないのです」

 「コハスは電気機器の制御装置を生産しており、1987年から北朝鮮の製品を輸入しています。けれども北朝鮮に何かを輸出したことはありませんし、私たちの会計はちゃんと社外の会計事務所が監査しており、いつでも政府当局に公開できます」

米国は北朝鮮の軍事ネットワークと戦う

 スイス企業の資産凍結や米国企業との取引禁止の発表は、米国政府が北朝鮮に新たな圧力をかけた現われだ。

 米国財務省テロリズム及び金融規制監督当局のスチュワート・レヴェイ氏は語る。「北朝鮮が大量破壊兵器を作ったり売ったりできるのは、アジアを越えて世界中に張り巡らされたネットワークのおかげなのです。米国はこのネットワークを見つけ出し、戦いを挑むことに全力をあげています」

 米国財務省の声明は、「コハスは、欧州における北朝鮮のための軍事技術ブローカーの役を担っており、同国のために軍事関連部品を調達している。よって、コハスとヤコブ・シュタイガー氏は、1980年後半から北朝鮮が大量破壊兵器拡散のために欧州に置いた支社である」と断定している。

北朝鮮の核開発

 去年、北朝鮮は核兵器を保有していると発表した。国際機関や各国政府は、これが事実に基づいているのかどうかまだ確認していないが、北朝鮮に対する緊張が国際的に高まったのは確かだ。

 北朝鮮の核開発に関して、米国、北朝鮮、韓国、中国、日本、ロシアの6カ国協議が開かれたが、これも昨年11月から暗礁に乗り上げている。米国は、北朝鮮が偽造紙幣やマネーロンダリングを行っているとして北朝鮮への資金の流れを規制する法令を施行し、これに北朝鮮が抵抗して協議が進まなくなっているのだ。

 北朝鮮はこの法令が撤回されなければ協議のテーブルに戻るつもりはないとしている。

swissinfo 外電、 遊佐弘美(ゆさひろみ)

補足情報

-スイスは北朝鮮と公式な外交関係を持っていない。

-スイス外務省開発協力局は平壌に事務所を開いて主に農業分野で援助活動を行っている。

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