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スイスコム、伊ファストウェブ社を買収

今回の買収は業績向上につながるか? Keystone

スイスの情報通信最大手のスイスコム ( swisscom ) は5月15日、イタリアのブロードバンドを専門とするファストウェブ ( Fastweb ) 社の82.4%の株を買収したと発表した。

買収価格は31億ユーロ ( 約5070億円 ) 。ファストウェブの負債も引き受けるため、今回の買収コストは42億ユーロ ( 約6900億円 / 69億フラン) となる。

 買収資金は、59億フラン ( 約5900億円 ) の借金のほか、増資、子会社の売却などによって賄うという。ファストウェブは今後ともイタリアの株式市場に上場を続ける。

ブロードバンドサービスの向上を期待

 ファストウェブは現在、1150万人の顧客を抱えている。徐々に顧客数を減らしているスイスコムとしては、ファストウェブのブロードバンドサービスを通して顧客拡大がかなえられる。また、スイスコムのカーステン・シュローター最高経営責任者 ( CEO ) は具体的に「現在、スイスコム収益の6割を占める企業間の電子取引 ( B to B ) の拡大、特にイタリアへ進出しているスイスの顧客へのサービス向上、ネットワークの効率的な購入、インターネットテレビのサービス充実などが期待される」と今回の買収効果について語った。

 スイスコムはこれまで海外の同業者との提携や買収を行ってきたが、ほとんどが良い成果につながらなかった。ドイツのデビテル社 ( Debitel ) 買収では約30億フラン ( 約3000億円 )の損失を出した。ハンガリー、マレーシア、インドなどの情報通信企業の買収でも、最終的には買収した会社を売却し、市場から撤退した。「買収が成功するか否かはその種類による。買収して転売するのか、スイスコムの体力を向上させる買収なのかの違いだ」とシュローター氏は、今回の買収は後者であると語った。

 子会社ブルーウィン ( Bluewin ) を通してインターネットテレビのサービスを始めたスイスコムだが、今回の買収でコスト削減が可能となり、料金の引き下げも期待できるという。

swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )

<ファストウェブ>
イタリア国内でテレコムイタリアに次ぐ第2の有線電話会社
シェアー13%。
創立1999年
本社ミラノ
2006年の売上高12億6000万ユーロ ( 約2060億円 )

<スイスコム>
2006年の売上高96億5000万フラン ( 約9650億円 ) 、純利益16億フラン ( 約1600億円 )

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