経済犯罪の主犯はマネージャー
経済犯罪の主犯の多くが企業の幹部であるという調査結果が9月15日、税理士法人「KPMG」より発表になった。
この「詐欺バロメーター ( KPMG Fraud Barometer ) 」によると、今年上半期に起訴された経済犯罪事件は35件に上る。
官庁も被害に
被害総額は約13億フラン ( 約11億4500万円 ) だが、今期には巨額の資金洗浄事件が1件発生しており、これを除く約2億フランの被害のうち、8件、総計約1億4600万フラン ( 約128億円 ) がマネージャーの懐に流れ込んだという。
今回は特に、11億フラン ( 約970億円 ) という巨額な資金洗浄事件「たばこマフィア事件」 が発生している。たばこマフィア事件は、今年初頭にティチーノ州・ベリンツォーナ ( Bellinzona ) の連邦裁判所で裁判が行われた事件で、1990年から巨額な資金を洗浄し犯罪組織に協力したという疑いで9人が起訴された。この9人に対しては、マネーロンダリングについては無罪、犯罪組織との協力については有罪の判決が下った。
全体で見ると被害者の大半は個人投資家 ( 11件/被害額約545万フラン ) だった。投資機関も7社が約1億4370万フラン ( 約126億円 ) の被害を受けた。官庁が被害者となった事件も4件あった。一方、加害者は違法に得た資金で高級車やヨットを購入したり、高額な衣服を身にまとい、整形手術を受けたりしていたという。また、買春やカジノでも散財したという。
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