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2018年9月23日の国民投票 スイス国民投票 公正な食品製造・農業政策改革は否決、自転車レーン整備は可決

農業改革

スイスで9月23日に行われた国民投票では、持続可能で公正な食品生産および国内農家の保護強化を求める2件のイニシアチブ(国民発議)が否決された

(Keystone/Gaetan Bally)

スイスで23日、国民投票が行われ、公正で持続可能な食品製造および国内農家の保護強化を求める2件のイニシアチブ(国民発議)は否決、自転車専用道の整備・管理を連邦憲法に盛り込む案は賛成多数で可決された。  

 緑の党が立ち上げた「公正な食品を求めるイニシアチブ他のサイトへ」は反対が61.3%、賛成が38.7%。スイス西部のジュネーブ、ヌーシャテル、ヴォー、ジュラの4州を除くすべての州が反対し、可決に必要な州の過半数は得られなかった。

 同案は連邦憲法を改正し、より持続可能で動物の権利を尊重した食品供給を目指すという内容。食品廃棄物の削減、地産地消の推進、農業従事者に対する公正な労働条件の保障に加え、工場式畜産による輸入食品の禁止などを求めていた。また輸入食品も、こうした厳格な国内基準を満たさなければならないとした。

>>「公正な食品を求めるイニシアチブ」を詳しく知る(日本語記事)

 一方、政府は「現行の食品生産は十分に持続可能かつ安全な方法で行われている」としてイニシアチブに反対を表明。可決されれば国際協定にも抵触しかねないなどとした。議会も反対を表明していた。

 アラン・ベルセ大統領兼内務相は投票結果を受けた閣僚会見で「食品廃棄物や農業従事者に対する公正な労働条件、持続可能な食品生産は国民にとって重要な問題。政府は引き続き現行の政策を推進していく」と述べた。

 イニシアチブ発起人委員会の共同代表で緑の党のマヤ・グラフ議員はスイス公共放送(SRF)に対し、有権者が「(公正な食品製造を実現する)チャンスを逃した」とコメント。ただイニシアチブがうたう食品製造のあり方が重要であることは、疑う余地がないと語った。

 二つ目の「食料主権を求めるイニシアチブ―農業は全ての人に関わる問題他のサイトへ」も憲法改正を含む案で、農業組合ユニテールなどが提起。農業政策を環境に優しく持続可能な方法に転換するほか、国際市場から国内農業セクターを保護するため、国が市場の規制や価格に積極的に介入するよう求めていた。国内市場の透明化や農業従事者の労働条件の統一化なども盛り込んだ。

>>「食料主権を求めるイニシアチブ」を詳しく知る(日本語記事)

 連邦政府、連邦議会はいずれも「時代に逆行した提案で、生産コスト、食品価格の上昇につながる」などとして反対を表明していた。

 投票結果は反対が68.4%、賛成が31.6%。スイス西部のジュネーブ、ヌーシャテル、ヴォー、ジュラの4州を除くすべての州が反対した。

  ヨハン・シュナイダー・アマン経済相は投票結果を受けた会見で「現行の農業政策を有権者が支持したことの表れだ」と述べた。

 2件の食品生産・農業政策改革をめぐるイニシアチブは、8月の世論調査他のサイトへ(有権者1200人が回答)では7割以上が支持したものの、食品価格の上昇リスクなどの反対意見が目立つようになると支持率が急速に下落。9月の第2回世論調査他のサイトへ(有権者1400人が回答)では賛成がいずれも50%近くまで落ち込んでいた。

自転車専用道には青信号ともる

 自転車専用道の整備・管理案は、連邦憲法第88条の「歩行者専用道および遊歩道に関する条項他のサイトへ」に自転車専用道の整備を追加するよう求める内容。連邦政府は国内の自転車インフラ構築を促進し、また各自治体の取り組みを支援するというもの。

>>このイニシアチブの内容を日本語で詳しく読む

 今回の案は2015年に一部政党と業界団体が立ち上げた「自転車イニシアチブ」に対する政府の対案。自転車イニシアチブは政府の役割を「義務」としたが、政府対案は「義務」ではなく「政府は各州の取り組みを調整する措置を取り得る」にとどめた。議会とイニシアチブの発起人もその後、政府対案を支持。自転車イニシアチブは撤回され、国民投票には政府の対案だけが是非を問われた。

 政府は自転車専用道を拡充することで自転車が絡む事故の抑止、電車やバスなどの公共交通機関の混雑緩和のほか、観光促進にもつながるとして支持を訴えていた。

 直近の世論調査では有権者の69%が賛成を表明し、可決がほぼ確実とみられていた。

 投票結果は賛成が73.6%、反対が26.4%。すべての州が賛成した。 

 投票率は37.1%だった。 

 スイスでは年4回、国民投票が行われる。次回は11月25日。

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