The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

ブーヘンヴァルト強制収容所の子どもたち スイスの失策PR活動

第二次世界大戦後のスイスはイメージの回復に必死だった。ナチスの強制収容所を生き延びた子どもを数千人受け入れるという発想はうってつけのように思えたが、良かれと思って行ったこの申し出は、計画性も実行もお粗末なものだった。

おすすめの記事

1945年5月ドイツ降伏。ヨーロッパ、そしてスイス国民にもついに平和が訪れると思われた。だが、スイス連邦政府の心中は穏やかではなかった。ナチス・ドイツと続けた緊密かつ包括的な経済協力が戦争を長引かせたと、アメリカから公に咎められたからだ。

そのため、スイス政府は勝ち組となった連合軍をなだめようと、他国の例にならってブーヘンヴァルト強制収容所にいた子どもを最大2千人、6カ月間受け入れるという申し出を行った。

しかし、この「ブーヘンヴァルト・アクション」は計画通りに運ばなかった。受け入れ数はわずか370人にとどまり、救援組織の体制も整っていなかった。

この記録映画ではスイス公共放送協会(SRG SSR)制作の連続ドラマ「Frieden(ドイツ語で『平和』)」のシーンも使われている。架空の人物が史実に基づいた出来事に向き合うドラマだ。そのほか、ユダヤ人生存者やスイスで援助活動を行った人々、そして歴史家の分析といったアーカイブに残る珍しい映像も紹介されている。

おすすめの記事

字幕制作:SWISS TXT、独語からの翻訳:小山千早、校正:大野瑠衣子

人気の記事

世界の読者と意見交換

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部