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2025年9月28日スイス国民投票、デジタルID導入と「マイホーム家賃収入税」廃止はいずれも可決

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デジタルID法は28日の国民投票で可決された Keystone / Anthony Anex

28日の国民投票で、デジタルID(eID)の導入、マイホームに課税される「家賃収入税」の廃止がいずれも可決された。

デジタルID導入への賛成は50.4%、マイホーム賃貸収入税、いわゆる「推定賃貸価格制度」の廃止は57.7%だった。可決されたことは驚きではないものの、推定賃貸価格制度の結果は世論調査の予測より賛成票が大幅に伸び、デジタルIDは予想以上に接戦となった。チューリヒ州の最終集計が加わるまで、否決の可能性が高いと言われていた。

投票率は50%(推定値)で、予想を上回る水準となっている。

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デジタルID法案は議会両院で圧倒的多数で可決された。しかし反対派が「プライバシーが保証されない」とし、法施行に反対するレファレンダム(国民表決)に必要な5万人以上の署名を集めた。 

僅差の結果について、政治学者のルーカス・ゴルダー氏はドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)に対し、コロナ禍以降、特に保守的な地域で国による解決策への不信感が高まっていると分析した。

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担当: Romy Katy

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デジタルID導入を推進したCH協会のオルガ・バラノヴァ事務局長は、この問題が一部の人々にとって依然理解しにくいと指摘した。「わが国におけるデジタル技術の課題について、政府が説明に努めることが不可欠だ」と述べた。そうでなければスイスはこの分野でさらに遅れを取るリスクがあると警告した。

反対陣営でも、結果が僅差だったことへの驚きがみられる。「この法律には保証が欠けており、多くの人々がそれに気づいた」と、レファレンダム委員会のヨナス・ズルツァー氏は語った。また議会での賛成多数という結果と、僅差の国民投票と意見が大きく分かれた結果の乖離を指摘した。

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推定賃貸価格制度、言語圏で差

推定賃貸価格制度の廃止案は、制度をなくすかわりに、州にセカンドホーム(別荘)に対する新税を設ける選択肢を提供する。新税導入には憲法改正が必要になるため、国民投票にかけられた。

連邦議会両院と連邦政府は廃止を支持。左派の社会民主党や緑の党などの反対派は、税収減を懸念していた。

この結果について、ゴルダー氏は「言語圏による分断が非常に明確だった。ドイツ語圏では、農村部への動員と訴えかけが非常に明確に行われた」と語った。

ゴルダー氏によれば、今回の投票では所有者と賃借人の対立構造があった。「しかし、将来的に不動産を相続したり購入したりすることを望む賃借人も存在し、その大多数も賛成票を投じた」

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スイスでは年間最大4回、国民投票がある。投票権を持つスイス国民は約550万人。連邦統計局によると、過去10年間の平均投票率は41%から57%。

英語からのDeepL翻訳:宇田薫

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