イラン産天然ガスの輸入にアメリカの批判
スイスのラウフェンブルク電力会社 ( Elektrizitätsgesellschaft Laufenburg / EGL ) は3月17日、訪問先のイランで国営ガス輸出会社 ( Nationa Iranian Gas Export Company / Nigec ) と天然ガス輸入の契約を結んだ。
これに対し、ベルン市にあるアメリカ大使は、同契約は核問題による対イラン制裁の精神に反するとして失望を表明した。
対イラン制裁に反するか?
さらに
「イランは、国際連合 ( UN ) 安全保障理事会の決議に反してウランの濃縮活動をまだやめていない。そんな時期に、スイスはイランに対して『間違ったシグナル』を送った」
と批判し、この契約が制裁措置に違反していないかどうかの調査に乗り出す意向だ。また、イランに対する圧力維持を焦点に、スイスとの話し合いを続けたいとしている。
一方、契約締結に同席したミシェリン・カルミ・レ外相の公の発言は、アメリカの見解と異なる。3月16日夕ジュネーブを発ったカルミ・レ外相は、その直前に、同契約は国連の対イラン制裁措置にも、また対イラン貿易に対するアメリカのより厳しい指針にも反しないと発言した。
この契約により、スイスは2011年から年間55億立方メートルのガスを輸入する。イランからのガスはアゼルバイジャンの天然ガスとともに、カスピ海を通るガスパイプラインで西ヨーロッパへと運ばれる。
このパイプラインでは、ギリシャからアルバニアを経てイタリアに達する全長520キロメートルの新区間「トランス・アドリアティック・パイプライン ( TAP ) 」が重要な役割を担う。この建設プロジェクトには、EGLおよびノルウェーの石油大手「スタットオイル・ハイドロ ( StatoilHydro ) 」が参画している。
swissinfo、外電
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