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スイスの銀行アメリカに背を向ける

Keystone

法的な問題が起ることを懸念し、スイスの銀行はアメリカの顧客を嫌うようになってきた。すでにスイス大手のUBS銀行は7月1日から、アメリカとのオフショアサービスを避けるため、アメリカ人顧客の投資口座へのアクセスをブロックした。

このコンテンツは 2009/07/03 15:25

UBSがアメリカ司法省の訴えで、銀行の守秘義務の存続にかかわるような裁判が起こり、UBS自身の財産管理者としての評判を落としかねない事態に陥っていることを受け、ほかの銀行は用心深くなっている。

「有害な顧客」

スイス銀行協会のピエール・ミラボー会長はジュネーブの「アメリカ国際クラブ ( American International Club of Geneva ) 」のランチミーティングで会長自身が経営するミラボー銀行 ( Banque Mirabaud ) はアメリカ当局の厳しい罰則を伴う規則に対して声高になるより、距離を保つことを選ぶだろうと語った。

ライフアイゼン銀行 ( Bank Raiffeisen ) も保守的戦略を取っている。
「アメリカ人顧客の新規口座を開かないように各支店に通達している。アメリカとの今後が不透明だからだ」
と広報担当のシュテファン・ケルン氏は語った。

現在、アメリカ合衆国内国歳入庁 ( IRS ) がUBSに対し、顧客約5万2000人の情報を開示するよう求めており、スイスとアメリカの2国間の政治的解決に至らない場合は7月13日、UBSに情報解除の命令が下る見込みだ。2国間の租税条約を改正する交渉が予定されているにもかかわらず、この点についてのアメリカからの譲歩はあまり見られない。

その上、スイス在住のアメリカ人向けのメディアが、スイスの銀行はアメリカ人顧客を嫌っているエピソードを報道している。ジュネーブにあるアメリカ人のサークルのメンバー、アンディ・サンドバーク氏もスイスの銀行がますますアメリカ人を避け
「アメリカ人の新規顧客は取らないと公表する銀行が多くなっている。今UBSが抱えているような問題を避けたいがため、機械的にアメリカ人を避けている」
と語り「アメリカ当局は、アメリカ市民を有害な顧客とみなすことは正当な判断だと決定したのだ」と言う。しかしサンドバーク氏は、UBSが、昨年の秋当座預金口座を凍結したのに続き7月1日には投資口座を凍結したことについて、非難はしないという。

汚いキャンペーン

一方、カリフォルニアに住むスイスとアメリカの2重国籍のローレンス・ディスモンド氏は、昨年自分の口座が突然凍結されたことに怒りを感じている。

UBSはアメリカ人の顧客とのオフショアービジネスを昨年7月に取り止めた。ディスモンド氏は、多くのUBS銀行の顧客とともに、45日以内に銀行口座に預けていたお金を、アメリカ当局の監視下に置かれる特別口座に移動させるか、銀行との契約を解除するかという二者選択の判断を迫られた。仕方なくスイス郵便 ( die Post/Le Post ) に口座を作った。

ディスモンド氏はスイスを旅行するときの経費として数千フラン ( 1フランは約90円 ) をスイスの銀行口座に預金していたが、UBSのこうしたやり方を「プロのやり方ではない」と非難する。一方で、アメリカ当局に対してスイスの銀行に不公平なプレッシャーを掛けていると指摘する声に対し
「アメリカ当局は全く良いことをしてくれた。みんながスイスの銀行では曲者ばかりが跋扈 ( ばっこ ) するところだと機械的に考えるようになったのだから」
と皮肉る。
「アメリカの世論は、5万2000人の ( UBS ) 顧客がスーパーリッチで、脱税のためにお金を隠していると思い込んでいる」
と言う。

マシュー・アレン、swissinfo.ch
( 英語からの翻訳、佐藤夕美 )

アメリカにおける対金融機関政策

アメリカと取引のある銀行のクロスボーダー業務は1月1日から、アメリカが的確仲介制度 ( Qualified Internmediary/QI ) が導入されたことにより、複雑になった。
この制度は、スイスの銀行などを含む金融機関に対し、クロスボーダー取引の際、源泉徴収義務を果たさせるために作られた。これに違反した場合、金融機関はアメリカでの業務停止の処罰を受ける可能性がある。
アメリカ国籍の人が外国に口座を持つ場合、「外国銀行・金融機関口座 ( Foreign Bank and Financial Accounts / FBAR )」の申告書に記入する義務を負う。
アメリカ合衆国内国歳入庁 ( IRS )は、まだ申告をしていないアメリカ人に対し、巨額の罰金が科せられる前に申告するよう勧告している。

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