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スイス経済回復の見通し

スイスフラン高は対ヨーロッパ輸出にとってリスクだが、強いドルがスイスの輸出業者を支えている PHOTOPRESS/Martin Ruetschi

スイスは予想外に早く不景気から抜け出せそうだ。3月16日の発表によると、連邦経済省経済管轄局は今年、1.4%の経済成長を期待している。昨年、スイスでは国内総生産 ( GDP ) が1.5%縮小した。

これまでのGDPの成長率予測は0.7%。今回の予測で大幅に上方修正されたことになる。
 

労働市場の本格的回復は来年

 これに先駆けて、スイス国立銀行 ( SNB/スイス中銀 ) もGDPの成長率予測を1.5%に上方修正した。エコノミストの中には2%と予想する向きもある。

 スイスの景気は昨年秋から回復が安定してきた。だが、勢いはこの先いくらか衰えると連邦経済省経済管轄局 ( SECO ) はみている。理由は、外国からの刺激の減衰と国内需要の明白な後退だ。2011年の経済成長予測は2%と、昨年12月の発表と変わっていない。

 これと同時に、今年の失業率予測も年平均4.9%から4.3%に修正された。昨年の年平均は3.7%。労働市場に明らかな緊張緩和がみられるのは2011年になってからと予測されており、来年の失業率予測も4.9%から4.2%に修正された。

 世界的な経済回復に欠かせない要素として、SECOは景気対策や金融危機の沈静化を挙げるほか、多くの国で観察されている企業および消費者の悲観的な見方が早く払拭されるべきだと指摘している。

 一方、この先数年間の景気動向にはまだ大きな不安材料も残っており、例として多くの国で大幅に増加している財政赤字やまだ不安定感の残る金融業界を挙げた。

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