スイス元閣僚のフラヴィオ・コッティ氏(右)は、国連の強い支持者だった。左はアナン元国連事務総長
Keystone / Lukas Lehmann
スイスの元連邦内閣閣僚フラヴィオ・コッティ氏が16日午後、新型コロナウイルス感染症に伴う合併症で死去した。81歳だった。
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コッティ氏は1983年、ティチーノ州から連邦議会議員に選出。中道派のキリスト教民主党所属で、1987~1999年まで連邦内閣閣僚を務めた。
同郷のイグナツィオ・カシス外相は自身のツイッターで、「ベリンツォーナで行われた連邦参事会の祝賀会でお会いした時のことを良く覚えている。彼の政治精神は常に外務省にあり続ける」と、コッティ氏の死去をしのんだ。
ティチーノ州の地元メディアによると、コッティ氏は同州ロカルノの病院で、新型コロナウイルス感染症に伴う合併症で死去した。病院側は、コメントを出していない。
EUとの二国間関係に尽力
コッティ氏は1986年に閣僚に選出。87~93年まで内相、93~99年まで外相を務めた。91、98年に連邦大統領を務めた(スイスの大統領は1年ごとの輪番制)。84~86年はキリスト教民主党の党首だった。
コッティ氏は欧州連合(EU)との二国間協定の締結を実現させた功績で知られる。真の政治的自己決定は国際機関への参加、またその中での平等な共同決定によってのみ実現できるとし、EUへの加盟を訴え続けた。
政界引退後は工作機械メーカー、ジョージ・フィッシャー外部リンクの取締役員などを務めていた。
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