
UBS、12日にクレディ・スイスの買収完了へ

UBSは5日、今月12日にもクレディ・スイスの買収を完了すると発表した。スイスの2大銀行の合併により、バランスシートが1兆6000億ドル(約220兆円)の巨大銀行が誕生する。
UBSは声明外部リンクで、「早ければ2023年6月12日に買収を完了する。その時点でクレディ・スイス・グループはUBSグループに合併される」と明記した。買収完了には米証券取引委員会(SEC)が株式交付を承認することなどが条件となると述べた。
完了次第、クレディ・スイス株と米国預託株式(ADS)はスイス証券取引所(SIX)とニューヨーク証券取引所(NYSE)から上場廃止される。SIXは同日の声明で、クレディ・スイス株は早ければ6月13日に上場廃止されると述べた。
全株買収により、クレディ・スイスの株主は保有株22.48株につきUBS株1株を受け取ることになる。
歴史的合併
2行の合併により、預かり資産5兆ドルの大銀行グループが誕生する。従業員は世界で12万人にのぼるが、UBSは相乗効果を生かしコストを削減するために人員を削減する方針だ。
UBSは、顧客や従業員の信頼を回復し離反を食い止めるため、買収を可及的速やかに完了させようとしていた。
UBSのセルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)は2日、ベルンで開かれた金融イベントで「これは合併ではなく買収であることも明確にしておく必要がある」と語り、今後のコスト・人員削減が「痛みを伴う」ものになると警告した。
合併後のUBSはスイスにとって大きすぎるという懸念に対しては、銀行にとって規模は重要だが、小規模な銀行も問題を引き起こす可能性があると述べた。
英語からの翻訳・編集:ムートゥ朋子
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