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出版業界、スイスとドイツがジョイントベンチャー

スイス大手メディアハウス、リンギエーがドイツ企業と東欧市場の確立へ Ringier

3月24日早朝、スイス出版最大手の「リンギエー」とヨーロッパ最大手の「アクセル・シュプリンガー」が東欧地域での業務提携を結び、ジョイントベンチャーを立ち上げると発表した。

ジョイントベンチャーは両社が50%ずつ出資し、本社はチューリヒに置かれる予定という。

上場を目標

 これまでも、「リンギエー( Ringier AG )」はセルビア、スロバキア、チェコに、また「アクセル・シュプリンガー( Axel Springer AG )」はポーランド、チェコ、ハンガリーに進出しており、今回の新会社創立で5カ国、100以上の出版物および、70以上のオンラインメディアをカバーすることになる。

 2009年の業績をもとにした予想売上高は、4億1400万ユーロ ( 約500億円 ) になり、従業員数は約4800人と東欧最大のメディア企業 となる。また、向こう3年間から5年間で株式市場への上場を目指すという。

 アクセル・シュプリンガーのマティアス・デプフナー会長はプレスリリースを通し「両社とも5カ国にわたる将来有望な市場でのリーダー的存在の大衆紙を発行しているという素晴らしい基盤があった。将来のデジタル時代への発展のために理想の条件だ」
 と伝えた。一方、リンギエーのクリスティアン・ウンガー会長も
「協力しあって、新会社を上場させたい」
と伝えている。

swissinfo.ch

リンギエー社 ( Ringier AG )
1833年創立
本社 ゾフィンゲン ( Zofingen )
2008年業績
売上高 約15億3600万フラン
このうち、国内は61%、中・東欧34%、アジア5%。従業員数約8000人、国内約3400人。
スイス国内では大衆紙を中心に15紙発行
ラジオ、テレビ局にも出資。
スイスフランス語圏の大手、エディプレスとの資本提携なども行い、スイス最大手のメディアハウス。

1946年創立
本拠地 ベルリン
2008年業績
売上高 26億ユーロ 
従業員数 約1万人
大衆紙を中心に全世界170紙発行、インターネットサイト80件
36カ国にわたりラジオ・テレビ局にも出資

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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