天気は持つのか?役者のトルステン・シムさんが空をいぶかしげに見つめる。管楽器の奏者が場を盛り上げる(Severin Jakob & Markus Bertschi)
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役者には大助かり。机の上に並ぶ騎士のかぶとと泡のスプレー。劇が始まる前に、この泡のスプレーで仕上げをする(Severin Jakob & Markus Bertschi)
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小道具の口ひげとあごひげ。ちなみに右の写真のひげは本物(Severin Jakob & Markus Bertschi)
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上映中はかなり移動する。役者たちは、舞台に戻るのに(客用の)ロビーを抜けて行かなければならないときもある(Severin Jakob & Markus Bertschi)
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劇では、地元農家が自分の牛を引いて舞台にやって来る。脇役から主演に至るまで、プロの俳優がいないのは至って普通のこと(Severin Jakob & Markus Bertschi)
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控え室に座るエリトリア出身の役者アドハノム・カーサイさん(Severin Jakob & Markus Bertschi)
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休憩するアルミン・チョップさん。彼の仕事はロバの健康管理だ。舞台が青空の下にあるのとは対照的に、観客席は屋根が付いている(Severin Jakob & Markus Bertschi)
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リュッセルマン牧師を演じるアルフレッド・シーグリストさん。この階段を上り下りし続けてはや350回目。以前は教会の聖堂世話係、羊飼いなどを演じた(Severin Jakob & Markus Bertschi)
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約130人の演者に対して、せりふがある役は35人。電気アンプの準備はOK。役者たちも出番を待つ。照明シグナルと時計が上映開始の時を知らせる(Severin Jakob & Markus Bertschi)
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待ち時間の間、子供たちはダンスしたりかくれんぼをしたりして遊ぶ(Severin Jakob & Markus Bertschi)
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武器や武具はもちろん、シャモアの剥製(はくせい)も小道具の一つ。マルクス・アドツィックさん演じるウィリアム・テルも手馴れたもの。出番の2分前まで、写真撮影に応じる(Severin Jakob & Markus Bertschi)
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いざ舞台へ(Severin Jakob & Markus Bertschi)
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ウィリアム・テル野外劇場は、どんな悪天候でも上演する国内最大の野外劇場の一つ(Severin Jakob & Markus Bertschi)
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スイス中部の都市インターラーケンにあるウィリアム・テル野外劇場では外部リンク100年以上に渡り、毎年上演している戯曲がある。チューリヒの写真家マルクス・ベーチさんとセヴェリン・ヤコブさんが自身のプロジェクトの一環で、伝説の舞台裏をファインダー越しにのぞいた。
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Severin Jakob & Markus Bertschi, Marie Gfeller (Bildredaktion)
武器のハルバート、たいまつ、騎士のかぶとが、カモシカの一種シャモアの剥製(はくせい)、付けひげ、最新の照明技術と共に舞台を盛り上げる。毎年6月から9月中旬まで、この劇場ではフリードリヒ・フォン・シラーの戯曲「ウィリアム・テル」を上演している。1912年、一人の教師が生徒と共にこの劇を披露したのが始まりで、世界大戦中をのぞき定期的に上演され、1954年には固定の舞台セットが出来た。
出演するのは、地元住民のほか、難民申請者、精神障害を抱える人たちなど約130人のアマチュア役者だ。ベーチさんとヤコブさんは自身のプロジェクト「これは伝説だ(Sagenhaft!)外部リンク」でこの劇場の舞台裏に迫った。
ベーチさんとヤコブさんはこのほかにもロビンフッドやシャーロックホームズ、ネッシー、吸血鬼ドラキュラなど伝説を追いかけ、ルポルタージュを制作。ルポでは、これらの謎に包まれた場所の美しさだけでなく、商業的な面にもフォーカスしている。
(独語からの翻訳・宇田薫)
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