ウクライナ向け武器再輸出 スイスがスペインの申請を却下
スイス製軍需品のウクライナ再輸出を求めるスペイン政府からの申請を、スイス連邦政府が却下した。連邦経済省経済管轄局(SECO)が10日、スイスの通信社Keystone-SDAに明らかにした。
SECOは、スイスの中立性と、同国製の武器が紛争地域に供与されるのを防止するための軍需品法に照らしたと説明し、スイス政府の判断を正当化した。同政府は昨年にも、同じ理由でドイツとデンマークからの申請を却下している。
おすすめの記事
スイス、ウクライナへの弾薬再輸出を拒否
スペイン政府は先月16日、スイス製対空砲2門をウクライナに引き渡してもよいか、SECOに承認を求めた。SECOはスペイン政府の要請に応えることはおそらく不可能だとしつつも、内容を検討した上で正式に回答するとしていた。
中立を伝統とするスイスはこれまでにも、同国製弾薬のウクライナ再輸出を拒否したことで、ドイツやスペインから批判を受けている。同問題を巡っては、先月に開催された世界経済フォーラム(WEF)年次総会(通称、ダボス会議)でも国際的な圧力を受けた。
スイス連邦議会では、ウクライナへの戦争物資の再輸出禁止を見直しもしくは解禁するよう求める声が高まっている。
英語からの翻訳:大野瑠衣子
JTI基準に準拠
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。