スイス連邦政府は11日から、州や自治体と共に原子力発電所にテロリストの脅迫状が届いた想定で非常訓練を実施する。計52時間に及ぶ演習に2千人が参加する。
このコンテンツが公開されたのは、
想定シナリオ
2年前、ジュネーブをテロ攻撃した実行犯が刑務所に送られた。テロ発生から2年を前に、ベツナウ原子力発電所で不具合が発生。「グローバル解放戦線(GLF)」と名乗る集団(架空)が動画で、不具合を首謀したのは自分たちであり、囚人が釈放されなければさらに深刻な事態になると脅迫した。
GLFは工業化された資本主義の西側諸国をテロや武力で破壊し、「所有や欲のない」国の創設を目指す架空の組織。ネット操縦やサイバー攻撃で世論を操作。ニュースサイトやソーシャルメディアにフェイクニュースを流している。
カリン・ケラー・ズッター連邦司法相は31日、想定シナリオ外部リンクを紹介し、2019年の合同訓練を前に「スイスは安全な国だが、備えは万全にしなければならないのも事実だ」と述べた。 「これは過剰な警戒ではなく、危機の予防だ」
安全保障体制や工程がきちんと機能するかどうかを、テロリストによる重要インフラへの攻撃や脅迫、差し迫った攻撃を想定してテストする。
≫広がる核の脅威、スイスの備えは万全?
国防省によると、この訓練に参加する組織は約70に上る。関連するセキュリティー組織が危機にどう対応し、緊迫した状況で互いに協力できるかどうか試す。
訓練は、政府が4年前に州と共同で策定した国のテロ対策戦略に基づき実施する。検証結果は2020年半ばにも報告書にまとめる。
第1回の訓練は2014年に行われた。当時は電力不足とインフルエンザのパンデミック(大流行)が同時発生する緊急事態を想定した。
おすすめの記事
スイスの人口が900万人を突破
このコンテンツが公開されたのは、
連邦統計局(FSO)が19日に発表した2024年6月末のスイスの永住人口は900万2763人で、初めて900万人を突破したことがわかった。
もっと読む スイスの人口が900万人を突破
おすすめの記事
苦境のスイス時計業界 政策支援を要請
このコンテンツが公開されたのは、
スイス時計産業は難局を迎えた。スイス製時計への需要が緩み、フラン高が収益を圧迫する。業界は警鐘を鳴らしている。
もっと読む 苦境のスイス時計業界 政策支援を要請
おすすめの記事
重度障がい3歳女児を殺害した両親に禁錮8年判決 スイス
このコンテンツが公開されたのは、
スイス北部アールガウ州で、重度の障がいを持つ娘(3)を殺害したとして、地方裁判所は13日、両親を故意の殺人罪・殺人未遂罪でそれぞれ禁錮8年の実刑判決を言い渡した。
もっと読む 重度障がい3歳女児を殺害した両親に禁錮8年判決 スイス
おすすめの記事
キリスト絵画を的に射撃したスイス議員、辞職
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの自由緑の党(GPL/PVL)チューリヒ支部に所属するサニヤ・アメティ氏(32)は9日、党の役職を辞すると発表した。自身のインスタグラムでキリストと聖母マリアを描いた絵画を的に射撃の練習をする写真を投稿し、大きな批判を浴びていた。
もっと読む キリスト絵画を的に射撃したスイス議員、辞職
おすすめの記事
スイス検察、国民投票の不正疑惑を捜査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス検察当局は、国民投票の提起に必要な署名が偽造されたとの疑惑を捜査している。収集代行業者が過去の署名を使い回したり、金銭を見返りに署名を集めた可能性がある。
もっと読む スイス検察、国民投票の不正疑惑を捜査
おすすめの記事
1000人超でアルプホルン演奏 スイスで世界記録を更新
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのニトヴァルデン準州クレヴェンアルプで31日、1000人以上のアルプホルン奏者が集まり、「アルプホルンを合奏する人数」の世界記録を更新した。
もっと読む 1000人超でアルプホルン演奏 スイスで世界記録を更新
おすすめの記事
社会民主党、収入約16億円で全政党トップ 政治資金報告書
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦監査院(SFAO)が30日、2023年の政治資金報告書を発表した。
もっと読む 社会民主党、収入約16億円で全政党トップ 政治資金報告書
おすすめの記事
スイス政府、原発の新設解禁に前向き
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は28日、「すべての人にいつでも電気を:ブラックアウト(全域停電)を止めよ」と題するイニシアチブ(国民発議)に反対を表明した。ただ、新たな原子力発電所建設の解禁には原則として支持する考えを示した。
もっと読む スイス政府、原発の新設解禁に前向き
おすすめの記事
マッターホルンの麓町ツェルマット、日帰り客に入場料を検討
このコンテンツが公開されたのは、
スイスを代表する名峰マッターホルンの麓町ツェルマットは、日帰り観光客の多さに悩んでいる。 現在、入場料の徴収を検討中だ。
もっと読む マッターホルンの麓町ツェルマット、日帰り客に入場料を検討
おすすめの記事
パリ協定遠く…スイス全州で気候変動対策不十分 WWF調査
このコンテンツが公開されたのは、
世界自然保護基金(WWF)スイスは27日、スイスの全ての州でパリ協定の目標達成に向けた十分な取り組みが行われていないとの分析結果を発表した。
もっと読む パリ協定遠く…スイス全州で気候変動対策不十分 WWF調査
続きを読む
おすすめの記事
地震大国日本で、災害救助犬が十分に活躍できない不思議
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのボランティア組織・救助犬協会レドックと日本のNPO法人災害救助犬ネットワークは7月、日本国内の救助犬ネットワークの整備促進を図る協定を結んだ。DRDNはこの協定をきっかけに、地震大国でありながらも災害救助犬が十分に活躍できていない日本の現状打破を目指す。
もっと読む 地震大国日本で、災害救助犬が十分に活躍できない不思議
おすすめの記事
スイスで稲妻4万回 原発が一時緊急停止
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは5日夜から6日にかけて激しい雷雨に見舞われた。ベツナウ原子力発電所の緊急停止や多数のフライト運航見合わせなどの影響が出た。
もっと読む スイスで稲妻4万回 原発が一時緊急停止
おすすめの記事
スイス軍練習機の死亡墜落事故、パイロットの人的ミスが原因
このコンテンツが公開されたのは、
スイス軍の軍事裁判所は20日、2017年9月にベルナーオーバーラント地方で軍用練習機PC-7が墜落、パイロットが死亡した事故について、パイロットの人的ミスが原因だったという決定を出した。
もっと読む スイス軍練習機の死亡墜落事故、パイロットの人的ミスが原因
おすすめの記事
失格者を減らせ! スイス軍がトレーニングアプリを開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイス軍にとって兵士の肉体作りはケガを減らし失格・脱落をなくすための重要課題だ。そこでスイス軍は兵役に就く前に体を鍛えるためのスマートフォン用アプリを開発した。
もっと読む 失格者を減らせ! スイス軍がトレーニングアプリを開発
おすすめの記事
スイスの兵役義務、拒否できる?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは成人男性に兵役義務を課す、欧州では数少ない国の1つ。1996年から、兵役の代わりに社会奉仕ができるようになったが、それより以前は何千人もの男性が兵役拒否を理由に刑務所へ送られた。
もっと読む スイスの兵役義務、拒否できる?
おすすめの記事
テスラのパトカー、バーゼル市警察が導入 批判相次ぐ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・バーゼル市警察に、新型テスラ電気自動車のパトカー2台が新たに配備された。だが、この車の購入とデータ保護をめぐり、様々な問題が浮上している。
もっと読む テスラのパトカー、バーゼル市警察が導入 批判相次ぐ
おすすめの記事
スイスアルプス 雪崩救助犬ウーピーの1日
このコンテンツが公開されたのは、
良質なスキーリゾートで知られるダボス・クロスタース地方で、スキーエリアの救助活動と安全監視の仕事をするヴァリ・マイヤーさん。相棒の雪崩救助犬ウーピーを肩に乗せ、今日もゲレンデに繰り出す。今日はウーピーが雪に埋まったダミー人形を探し出す大事な訓練の日だ。
もっと読む スイスアルプス 雪崩救助犬ウーピーの1日
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。