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外国人犯罪者に厳しい引き締め

Keystone

スイス政府は、重大な罪を犯した外国人の居住許可を無効にし、国外退去させる意向だ。

このコンテンツは 2009/07/02 15:26

しかし6月24日に政府は、右派の国民党 ( SVP / UDC ) が提起した外国人犯罪者の機械的な国外退去についてのイニシアチブは、憲法に保障されている基本的な権利と国際法に反すると意見を発表した。

機械的に国外退去?

スイス政府は、政党、政治団体、市民社会と幅広い協議を行い、その結果、初期の政府案を厳しいものに修正したとオブザーバーは指摘する。

エヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ司法相によると、内閣の閣僚会議では、犯罪者の国外退去が正当なものであるかどうか、そして国際条約に沿っているかが検討される予定だ。また、今回政府は外国人犯罪者を機械的に国外退去させることについては拒否したが、国民党のイニシアチブを無効と明言するには至らなかったとヴィトマー・シュルンプフ司法相は述べた。

今後、国民党のイニシアチブとそれに対する政府対案の両方を議会で討議した後、国民投票が行われる。

国民党は2007年の議会選挙の時期に合わせ、大論争を引き起こしたキャンペーンを展開し21万人分以上の署名を集めた。同党は罪を犯したり、生活保護を不正に受給している全ての外国人の国外退去を求めている。

より一貫して

政府対案では、殺人、レイプ、人身売買、放火などの重大な罪で1年間以上、そのほかの罪で2年間以上の懲役の判決を受けた外国人は国外退去を強制される。

「スイス全土において、より一貫した統一された法律が施行されるようになります」
とヴィトマー・シュルンプフ司法相は記者会見で述べた。

現在スイスの全26州の裁判所は、刑罰の決定に関してそれぞれ一定の主権を持っている。
「各州の裁判所は、これまでのような自由裁量権を失うことになります」
とヴィトマー・シュルンプフ司法相は言い添えた。

政府対案は、国外退去の可能性を実際的で受け入れられるものにし、国際法の範囲内に収めるようにするための確実な方法を模索している。

政府は、居住許可に関する法律を、地元社会への融和を基本条件にして強化する方法を探している。政府案の草稿によると、居住申請者は法と秩序、そして憲法の基本的価値の順守が義務となっている。

また、労働と学習の意思を持つことが義務付けられており、これはスイスの4つの公用語のうちいずれかに精通しなくてはならないことを意味する。この規定は、外国からスイスに移住する配偶者にも適用される。

複雑な反応

政府案は主要政党、団体、専門家に複雑な反応を引き起こした。中道左派の社会民主党 ( SP / PS ) は、政府案は明確なルールを欠いており不必要と退け、緑の党( Grüne / Les Verts ) は、政府は良識的な判断を欠いていると批判した。さらに右派の国民党は、政府の法案は何の効果も生み出さないと主張し、役立たずだと糾弾した。

一方、中道右派の急進民主党 ( FDP / PRD ) 、キリスト教民主党 ( CVP / PDC ) は、政府案は正しい方向への一段階だと歓迎した。非政府組織 ( NGO ) の「スイス難民保護委員会 ( Organisation suisse d’aide aux réfugiés / OSAR ) 」は、抑圧的な政策と統合強化へ向けた段階という2つの「奇妙な混合物」だと批評する。

協議過程で教会と雇用者団体は、現在の法律が一貫して適用されるならば、それで充分だと主張した。

チューリヒに基盤を置き、移民の権利を専門とする弁護士マルク・スペキア氏は、国民党のイニシアチブを基本的な権利の侵害と激しく非難している。同氏は昨年12月に行われた公開の集会で、国民党のイニシアチブに対する連邦議会の拒否を歓迎すると述べた。

ウルス・ガイザー Urs Geiser、swissinfo.ch
( 英語からの翻訳、笠原浩美 )

犯罪論争

外国人犯罪者についての論争は、過去数年間に激化してきた。
特に昨年のティチーノ州の殺人件数は国内紙の見出しとなった。
右派の国民党 ( SVP / UDC ) は、2007年に黒い羊を外国人犯罪者に見立てたポスターを使い、外国人犯罪者を糾弾する選挙運動で成功を収めた。
先月初めに連邦議会は、犯罪法を強化する提案について討論を開始した。

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国民党のイニシアチブ

犯罪や生活保護の受給詐欺で捕えられた外国人を機械的に国外退去させることを求めている。
同党はキャンペーンで必要数の署名を集め、16カ月前に連邦総務局 ( Bundeskanzlei / Conseil Federal ) に提出した。
このイニシアチブに対し、政府は外国人犯罪者に対する法律を強化することを目的とした対案を発表し、その後協議過程で草稿を訂正した。
政府による対案は、重大な犯罪で検挙された外国人の国外退去を想定しており、スイス社会への融合を居住許可取得の条件としている。
国民党のイニシアチブと政府案のいずれかが国民投票で選ばれることになるが、その前に両方が連邦議会で討論される。

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