父親の育休に関し、スイスは後進国だ
Keystone/Gaetan Bally
スイス国民議会(下院)は11日、父親に2週間の育児休業を認める案を賛成多数で可決した。
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スイスでは父親の育児休業を保障する法律が存在しない。パートナーの出産に関し休暇を取ることはできるが、実質わずか1日だ。独自に父親の育児休業を労働契約で認める企業もあるが、大手に限られている。
このため労働組合や父親らでつくる団体は2016年、4週間(休日を除く20日間)の育児休業を法制化するイニシアチブ外部リンクを立ち上げ、必要な署名を集め国民投票を求めていた。
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議会は4週間の案を「中小企業のコスト負担が大きすぎる」などとして反対。ただ父親の育休導入を求める世論の高まりなどを受け、代わりに2週間を提案した。同案は全州議会(上院)では可決済みだ。
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国民議会での投票は、賛成129、反対62、棄権1だった。 議会が提案した2週間の対案は「間接的対案」と呼ばれ、イニシアチブの発起人が4週間の案を撤回した場合、対案が自動的に可決される。
ただ2週間の案に対しても、左派の議員らは「十分でない」と批判する。
議会の対案では、父親は、子供の出生後6か月以内に2週間の有給休暇を取ることができる。女性の産休と同様、所得補償の対象となる。連邦政府によると、導入にかかるコストは推定年間約2億2900万フラン(約250億円)。
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